アルコールチェッカーの数値|酒気帯び運転の基準値や罰則、注意点について解説
近年、飲酒運転による交通事故が大きな社会問題となっています。
2021年6月28日には、千葉県八街市で飲酒運転が原因となり、下校途中の小学生の列にトラックが突っ込む痛ましい事故が発生し、男女5人が死傷しました。
飲酒運転を根絶するためには、国民一人ひとりが絶対に飲酒運転をしない、させないという強い意志を持つことが重要です。
飲酒運転には厳しい行政処分と罰則がありますが、「酒気帯び運転」の基準値をご存知でしょうか?
本記事では、酒気帯び運転と判断されるアルコールチェッカーの数値、罰則内容、そして注意点について紹介していきます。
目次 / このページでわかること
1.酒気帯び運転となるアルコールチェッカーの数値基準はどれくらい?
酒気帯び運転とは法律上で禁止されている行為であり、酒気帯び運転に該当した場合は道路交通法違反とみなされます。
酒気帯び運転の基準となるのは、呼気中のアルコール濃度が0.15mg/l 以上含まれた状態となります。
また、アルコールの影響により車両等の正常な運転ができない恐れがある状態を酒酔い運転と呼び、酒気帯び運転以上の重い行政処分と罰則が与えられます。
飲酒運転の基準と処分内容を下記にまとめました。罰則については次の項目で詳しく解説します。
違反種別 | 呼気中アルコール濃度 | 違反点数 | 行政処分 |
---|---|---|---|
酒気帯び運転 | 0.15mg/l 以上 0.25mg/l 未満 | 13点 | 免許停止(停止期間90日) |
0.25mg/l 以上 | 25点 | 免許取消(欠格期間2年) | |
酒酔い運転 | 数値基準なし 正常な運転ができない恐れがある状態 | 35点 | 免許取消(欠格期間3年) |
2.アルコールチェッカーの数値基準を超えて運転した場合の処分・罰則
では、酒気帯び・酒酔い運転には具体的にはどのような罰則があるのでしょうか?
罰則と行政処分に分けて内容を見ていきます。
2-1 酒気帯び運転の場合
まずは、酒気帯び運転の場合の罰則・行政処分について見ていきます。
罰則
- 1. 車両等を運転した者:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
- 2. 車両等を提供した者:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
- 3. 酒類を提供した者又は同乗した者:2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
行政処分
■呼気中アルコール濃度0.15mg/l 以上 0.25mg/l 未満
- ・基礎点数:13点
- ・免許停止:停止期間90日
■呼気中アルコール濃度0.25mg/l 以上
- ・基礎点数:25点
- ・免許取消:欠格期間2年
2-2 酒酔い運転の場合
次に、酒酔い運転をしてしまった際の罰則と行政処分について紹介します。
罰則
- 1. 車両等を運転した者:5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
- 2. 車両等を提供した者:5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
- 3. 酒類を提供した者又は同乗した者:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
行政処分
- ・基礎点数:35点
- ・免許取消:欠格期間3年
基準値に関わらず、アルコールは少量でも脳の機能を麻痺させる作用があり、視力や注意力、判断力の低下など交通事故に結びつく危険性を高めます。
少しでも飲酒をした場合は、絶対に車を運転しないようにしましょう。
弊社では飲酒運転をしない、させないために必要不可欠な高精度アルコールチェッカーを提供しております。
また以下の記事では、罰則についてさらに詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
関連記事:『酒気帯び運転(飲酒運転)とは|基準や処分・罰則内容をわかりやすく解説』
3.アルコールチェッカーの数値に関する注意点
アルコール検知を行う際、アルコールチェッカーの数値に関する注意点がありますので説明します。
3-1 飲んでいないのにアルコール反応が出る場合がある
アルコールチェッカーは飲酒をしていなくてもアルコール反応が出る場合があります。
具体的には飲食物や薬の服用、喫煙、うがい薬や歯磨き粉の使用等でも反応する場合があります。
またノンアルコールビールなど、一見アルコールが含まれていないと思われる食品類にも微量のアルコールが含まれていることがあるため、注意が必要です。
アルコールチェッカーの保管環境や使用環境も数値に影響を与えることがあります。そのため、メーカーが定めた環境で保管・使用してください。
以下の記事ではお酒以外にもアルコール反応が出る可能性があるものを紹介していますのでぜひご覧ください。
関連記事:『未飲酒でもアルコールチェッカーが反応してしまう?7つの原因や対処法を解説』
3-2 検知器の故障等により誤ったアルコールの数値が出ることがある
アルコールチェッカーのメンテナンス状態や管理状況、使用環境によっては故障につながり誤った数値が出てしまうことがあります。
アルコールチェッカーごとに使用回数・期限が定められているので、取扱説明書をよく読んで、メーカーが定めた使用回数・期限を守るとともに、精度維持のための日常点検や修理、定期交換は必ず行ってください。
関連記事:『アルコールチェッカーって鼻息でも測定出来る?』
4.正確にアルコールチェックをするための3つのポイント
アルコールチェックを正しく行うためには、以下の3つのポイントに注意しましょう。
- ・前日の飲酒する時間に注意する
- ・アルコールチェックの前にうがいをする
- ・アルコールチェックの直前は飲食を避ける
それぞれ解説します。
前日の飲酒する時間に注意する
多くの方は飲酒直後の運転への危険性は理解していますが、前日のお酒の影響はあまり考えてない方もいます。
夜遅くまで飲酒をしていたり、多量のアルコールを摂取した場合、翌朝のアルコールチェックで数値が検出されることがあります。
アルコールの代謝速度は人によって異なりますので、自分に適した飲酒量を知り、翌日に運転の予定があるならば適量を心がけることが大切です。
アルコールチェックの前にうがいをする
食べ物や飲み物が口の中に残っていると、アルコールチェッカーが誤って高い数値を示すことがあります。
このような誤検知を避けるためにも、アルコール検査を行う前に、可能であればうがいをすることがおすすめです。ただし、うがいをする際には、アルコール成分を含む洗口液の使用は控えましょう。
アルコールチェックの直前は飲食を避ける
食事や喫煙直後にアルコールチェッカーを使用すると、正確な数値が出ない可能性があります。そのため、アルコールチェックをする際は、最後の飲食や喫煙から20分~30分ほど時間をあけることが大切です。
さらに、蒸しパンやキムチなどの一部の食べ物はアルコールチェッカーの数値に影響を与える可能性がありますので、検知前にこれらを摂取した場合は注意しましょう。
5.アルコールチェッカーの数値に関するよくある質問
アルコールチェッカーの数値に関する注意点を前述しましたが、続いてよくある質問をご紹介します。
- アルコールチェッカーの正常値は?
-
道路交通法において、酒気帯び運転の基準値となる呼気中のアルコール濃度は0.15mg/l となっており、これはビール中瓶1本、日本酒1合に相当します。
また、基準値未満であっても運転に影響を与える場合があることがわかっています。 - アルコールチェッカーの数値に誤差は出ない?
-
アルコールチェッカーは飲酒だけではなく、飲食物や薬の服用などによってアルコール反応が出る場合があります。
また、メーカーが定めた使用期限が切れていたり、故障していたりして誤作動を起こしてしまうことがありますので、必ず日常点検を行ってください。 - アルコールチェッカーの劣化により数値が変動する?
-
アルコールチェッカーのセンサーは使用によって劣化するものであり、半永久的に使用できるものではありません。メーカーが定めている検知回数・期限を守って使用してください。
6.まとめ
本記事では、酒気帯び運転の基準値や罰則・処分内容について細かく見ていきました。
飲酒した場合は、基準値に関わらず絶対に車両等を運転しないようにしましょう。
また、アルコールチェッカーは飲酒の有無を判断するための1つの判断材料であり、運転の可否を決定するものではありません。検知結果だけに頼らず、体調や顔色などを総合的に判断してください。