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アルコールチェッカーの「基準値」は0.15mg/L以上|数値の見方や罰則と注意点を解説

近年、飲酒運転の取り締まりが強化されており、会社のアルコールチェッカーを使用する方や、自主的にアルコールチェックを行う方が増えています。

アルコールチェッカーで酒気帯び運転の基準となる呼気中アルコール濃度は、0.15mg/l以上です。ただし、0.15mg/l未満であっても、運転してよいと一律に判断できるわけではありません。

アルコールチェッカーは酒気帯びの程度を客観的に把握するために役立つ一方で、「表示された数値をどう見ればよいか」「0.00mg/l以外が出た場合はどうすべきか」と迷う方も少なくありません。

また、飲酒運転には「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」があり、検出されたアルコール濃度の数値や運転者の状態によって、該当する違反や処分の内容は異なります。

本記事では、酒気帯び運転と判断されるアルコールチェッカーの数値や、基準値を超えた場合の処分・罰則、0.15mg/l未満の数値が出たときの考え方、正確に測定するための注意点を解説します。

「アルコールチェッカーの数値をどう判断すればよいのか」を本記事で確認してください。

1.酒気帯び運転となるアルコールチェッカーの数値基準はどれくらい?

飲酒運転(酒気帯び運転・酒酔い運転)の行政処分と罰則をまとめた図

「酒気帯び運転」に該当する基準値は、「呼気中のアルコール濃度が0.15mg/l以上」です。

飲酒運転には、「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2つがあります。

どちらも法律で禁止されている行為であり、飲酒運転を行った場合は、道路交通法違反として厳しい行政処分が科されます。

また、数値に関わらず「アルコールの影響等により車両等の正常な運転ができない恐れがある状態」と判断されると「酒酔い運転」に該当し、酒気帯び運転以上の重い行政処分と罰則が科されます。

飲酒運転の基準値と処分内容を下記にまとめました。罰則については次の項目で詳しく解説します。

【飲酒運転の基準値と処分内容】
違反種別呼気中アルコール濃度違反点数行政処分
酒気帯び運転0.15mg/l 以上 0.25mg/l 未満13点免許停止(停止期間90日)
0.25mg/l 以上25点免許取消(欠格期間2年)
酒酔い運転数値基準なし
正常な運転ができない恐れがある状態
35点免許取消(欠格期間3年)

参考:飲酒運転には厳しい行政処分と罰則が(PDF)|警察庁

※上記の表は、前歴やその他の累積点数がない場合の目安です。
※「欠格期間」とは、運転免許の取消処分を受けた後、新しい免許を再取得できない期間のことを言います。

1-1 0.15mg/l未満でも運転できるとは限らない

呼気中アルコール濃度が0.15mg/l未満であれば、酒気帯び運転の罰則対象にはなりません。ただし、「基準値未満だから運転してよい」とは言い切れません。

アルコールには少量でも脳の機能に影響を与える作用があり、基準値を下回っていても注意力・判断力・反応速度が低下している状態は続いています。

また、お酒に弱い体質の人であれば、0.15mg/l未満の数値であっても、「ろれつが回らない」「まっすぐ歩けない」などの状態が見られる場合があり、酒酔い運転として検挙される可能性があります。

酒酔い運転は数値ではなく「正常な運転ができないと判断された状態」が基準になるためです。

アルコールチェッカーの数値はあくまで客観的な判断材料の1つです。数値だけで運転の可否を判断するのではなく、体調・顔色・受け答えの状態を合わせて総合的に確認することが重要です。

POINT

アルコールを少しでも摂取した場合は、数値にかかわらず運転を控える判断が事故防止の基本です。基準値未満を「セーフ」と捉える運用は、企業としてのリスク管理上も避けるべきです。

2.アルコールチェッカーの数値基準を超えて運転した場合の処分・罰則

飲酒運転を行った場合、行政処分と罰則(刑事処分)が科されますが、酒気帯び・酒酔い運転には具体的にはどのような罰則が科されるのでしょうか?

罰則と行政処分に分けて内容を見ていきます。

2-1 酒気帯び運転の場合

まずは、酒気帯び運転の場合の罰則・行政処分について確認しましょう。

飲酒運転の罰則は、車両やお酒を提供した人にも科される場合があります。

罰則

  • 1. 車両等を運転した者:3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
  • 2. 車両等を提供した者:3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
  • 3. 酒類を提供した者又は同乗した者:2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金

行政処分

■呼気中アルコール濃度0.15mg/l 以上 0.25mg/l 未満

  • ・基礎点数:13点
  • ・免許停止:停止期間90日

■呼気中アルコール濃度0.25mg/l 以上

  • ・基礎点数:25点
  • ・免許取消:欠格期間2年

参考:飲酒運転の罰則等|警視庁

酒気帯び運転は、呼気中アルコール濃度の数値に応じて罰則の内容が変わります。

0.25mg/l以上の場合、免許取消処分となり2年間は再取得ができません。

以下の関連記事では、酒気帯び運転の罰則についてさらに詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

2-2 酒酔い運転の場合

次に、酒酔い運転の罰則と行政処分について紹介します。

罰則

  • 1. 車両等を運転した者:5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金
  • 2. 車両等を提供した者:5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金
  • 3. 酒類を提供した者又は同乗した者:3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金

行政処分

  • ・基礎点数:35点
  • ・免許取消:欠格期間3年

参考:飲酒運転の罰則等|警視庁

酒酔い運転は、呼気中アルコール濃度の基準値がなく、「ろれつが回らない」「まっすぐ歩けない」「まっすぐ運転できない」などの客観的な兆候から判断されます。

呼気中アルコール濃度が「0.15mg/l未満」だとしても、正常な運転ができない恐れがあると判断されたら酒酔い運転の対象です。

基準値に関わらず、アルコールは少量でも脳の機能を麻痺させる作用があり、視力や注意力、判断力の低下など交通事故に結びつく危険性を高めます

近年、飲酒運転による交通事故が大きな社会問題となっています。2021年6月28日には、千葉県八街市で飲酒運転が原因となり、下校途中の小学生の列にトラックが突っ込む痛ましい事故が発生し、男女5人が死傷しました。

飲酒運転を根絶するためには、国民一人ひとりが絶対に飲酒運転をしない、させないという強い意志を持つことが重要です。

社用車での重大事故が発生した場合、企業の代表者や責任者も罰則の対象になる可能性があります。

事業停止処分や社用車の使用停止処分、安全運転管理者や運行管理者の解任命令などが科されます。

 

飲酒運転は、企業の社会的信用を失う重大な違反行為であることを認識し、日頃からドライバーへの安全運転の徹底を周知しましょう。

悲惨な事故を防ぎ、飲酒運転をさせない環境を作るためには、適切なアルコールチェッカーの導入が不可欠です。

以下の関連記事では、業務用のアルコールチェッカーの種類と選び方について詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

3.アルコールチェッカーの数値に関する注意点

アルコールチェッカーは正しく使用しなければ、正確な数値を得ることができません。検知器の性質と使用環境への理解が、適切なアルコールチェック管理につながります。

アルコールチェッカーの正しい使い方を知り、安全運転を心がけましょう。

3-1 飲んでいないのにアルコール反応が出る場合がある

アルコールチェッカーは飲酒をしていなくてもアルコール反応が出る場合があります

特に、以下のような食べ物や嗜好品、製品の使用は注意が必要です。

【アルコールチェッカーが反応しやすい食品・製品】

発酵食品・蒸しパン・コーヒー・喫煙・薬・歯磨き粉やうがい薬など

またノンアルコールビールなど、一見アルコールが含まれていないと思われる食品類にも微量のアルコールが含まれていることがあるため、注意が必要です。

アルコールチェッカーの保管環境や使用環境も数値に影響を与えることがあります。そのため、メーカーが定めた環境で保管・使用してください。

以下の関連記事では、お酒以外にもアルコール反応が出る可能性があるものを紹介しています。ぜひご覧ください。

3-2 アルコールチェッカーの故障・劣化により誤った数値が出ることがある

アルコールチェッカーのメンテナンス状態や管理状況、使用環境によっては故障につながり誤った数値が出てしまうことがあります。

アルコールチェッカーごとに使用回数・期限が定められているので、取扱説明書をよく読んで、メーカーが定めた使用回数・期限を守るとともに、精度維持のための日常点検や修理、定期交換は必ず行ってください。

以下の関連記事では、アルコールチェッカーのメンテナンス(校正)の方法や、日常的なお手入れの方法について詳しく紹介しています。あわせて参考にしてください。

4.正確にアルコールチェックをするための3つのポイント

アルコールチェックを正しく行うためには、以下の3つのポイントに注意しましょう。

  • ・前日の飲酒する時間に注意する
  • ・アルコールチェックの前にうがいをする
  • ・アルコールチェックの直前は飲食を避ける

それぞれ解説します。

4-1 前日の飲酒する時間に注意する

多くの方は飲酒直後の運転への危険性は理解していますが、前日のお酒の影響はあまり考えていない方もいます。

夜遅くまで飲酒をしていたり、多量のアルコールを摂取した場合、翌朝のアルコールチェックで数値が検出されることがあります。

アルコールの代謝速度は人によって異なりますので、自分に適した飲酒量を知り、翌日に運転の予定があるならば適量を心がけることが大切です。

4-2 アルコールチェックの前にうがいをする

食べ物や飲み物が口の中に残っていると、アルコールチェッカーが誤って高い数値を示すことがあります。

このような誤検知を避けるためにも、アルコールチェックを行う前に、可能であれば真水でうがいをすることがおすすめです。

ただし、うがいをする際には、アルコール成分を含む洗口液の使用は控えましょう。

4-3 アルコールチェックの直前は飲食・喫煙を避ける

食事や喫煙直後にアルコールチェッカーを使用すると、正確な数値が出ない可能性があります。

そのため、アルコールチェックをする際は、最後の飲食や喫煙から20分〜30分ほど時間をあけることが大切です。

さらに、蒸しパンやキムチなどの一部の食べ物はアルコールチェッカーの数値に影響を与える可能性がありますので、アルコールチェック前にこれらを摂取した場合は注意しましょう。

5.企業がアルコールチェックの数値を管理するときの4つのポイント

アルコールチェッカーによる検査は、記録・判断・確認の体制がセットでなければ意味がありません。

2023年12月からアルコールチェッカーを用いたアルコールチェックが義務化されてから、単に数値を確認するだけでなく、企業として組織的に管理する仕組みを整えることが求められるようになりました。

法令上の義務を満たしつつ、実効性のある運用を構築するためのポイントを紹介します。

5-1 社内のアルコール基準値を「0.00mg/l」に設定する

道路交通法上の酒気帯び運転の基準値は0.15mg/lですが、企業の安全管理において「0.15mg/l未満なら運転してもよい」という運用は避けるべきです。

アルコールが少量でも体内に残っている状態は、注意力や反応速度に影響を与えます。また、基準値を下回っていても酒酔い運転と判断されるリスクがあります。

社内の安全基準は「0.00mg/l」を前提として設定し、数値が出た時点で運転業務に就かせないルールを明文化することが重要です。

5-2 数値が出た場合の再測定と判断フローを整備する

アルコールチェッカーは、飲食や喫煙の影響で誤検知が出ることがあります。

そのため、数値が出た場合に「直ちに運転禁止」と判断する前に、再測定の手順を定めておくことが現実的な対応です。

一般的には、うがい(真水)をしてから20〜30分後に再測定を行い、数値が0.00mg/lに戻れば誤検知として扱うことがあります。

ただし、再測定でも数値が出た場合はアルコールの残留が疑われるため、その日の運転業務を中止させる判断が必要です。再測定の回数・手順・判断基準を社内ルールとして文書化しておくことで、管理者ごとの対応のばらつきを防ぐことができます。

5-3 記録の保存と管理者確認を徹底する

道路交通法の規定に基づき、アルコールチェックの記録は1年間の保存が義務付けられています。記録に含めるべき項目は以下の通りです。

  • 確認者名
  • 運転者名
  • 運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
  • 確認の日時
  • 確認の方法
    • ア:アルコール検知器の使用の有無(2023年12月より使用が義務化)
    • イ:対面ではない場合は具体的方法(例:電話、ビデオ通話など)
  • 酒気帯びの有無
  • 指示事項
  • その他必要な事項

管理者が対面で確認できない場合(直行直帰・テレワーク等)でも、電話・ビデオ通話・クラウドシステムを活用して「管理者による確認」の記録を残すことが求められます。

記録の形式や保存方法を統一しておくことで、監査や事故発生時の証拠としても機能します。

5-4 クラウド管理で記録・確認を一元化する

紙や表計算ソフトによるアルコールチェック管理は、記録の抜け漏れや改ざんのリスクを排除しにくく、管理者が確認できない場面での対応に課題が残ります。

クラウド型のアルコールチェックシステムを活用することで、測定結果がリアルタイムで管理画面に自動記録され、遠隔地からでも管理者が確認・承認できる環境を整えることができます。

複数拠点・多人数のドライバーを抱える企業ほど、運用の属人化を防ぐ仕組みとして導入の優先度は高くなります。

記録保存・管理者確認・再測定フローを一元化できる環境を整えることが、義務化対応と事故防止の両立につながります。

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6.アルコールチェッカーの数値に関するよくある質問

アルコールチェッカーの数値に関するよくある質問を紹介します。

アルコールチェッカーの基準値は?

道路交通法において、酒気帯び運転の基準値となる呼気中のアルコール濃度は0.15mg/lとなっており、これはビール中瓶1本、日本酒1合に相当します。

また、基準値未満であっても運転に影響を与える場合があることがわかっています。

安全運転に支障があれば酒酔い運転として処罰されるため、基本的に0.00mg/lが安心して運転できる数値の目安です。

参考:飲酒運転には厳しい行政処分と罰則が(PDF)|警察庁

アルコールチェッカーの数値に誤差は出ない?

アルコールチェッカーは飲酒だけではなく、飲食物や薬の服用などによってもアルコール反応が出て、数値に誤差が生じる場合があります。

また、メーカーが定めた使用期限が切れていたり、故障していたりして誤作動を起こしてしまうことがありますので、必ず日常点検を行ってください。

アルコールチェッカーの劣化により数値が変動する?

アルコールチェッカーのセンサーは使用によって劣化するものであり、数値に影響を与えます。

アルコールチェッカーは半永久的に使用できるものではありません。メーカーが定めている検知回数・期限を守って使用してください。

また、センサー劣化や保管環境などが要因で数値が変動する可能性があるため、メーカーが推奨するメンテナンスを行い、定期的な校正やセンサーの交換を行いましょう。

アルコールが抜けるまでどれくらい?翌朝も数値が出る?

アルコールの分解能力は体質・体重・体格・年齢・性別などにより個人差がありますが、ビールロング缶1本(500ml)を飲んだ場合、そのアルコールの分解にはお酒を飲める体質の男性は約4時間、女性やお酒に弱い体質の人は、約5時間かかるとされています。

ビールロング缶3本(1,500ml)、もしくは、酎ハイ缶3本(1,050ml)飲むと、半日以上体内からアルコールが消えない計算となります。

アルコールの影響を受けた状態では、飲酒運転に該当する可能性があるため、日頃から節度ある飲酒を心がけ、飲みすぎないように注意しましょう。

参考:アルコールが体から抜けるまでの時間|認定特定非営利活動法人ASK

アルコールチェッカーで微量の数値がでたら何分後に検査すればいい?

再度測定する場合は20分〜30分あけて検査するのが目安です。

アルコールチェッカーは、飲食物や喫煙などが原因で反応する場合があります。もしアルコールの数値が出た場合は、以下の方法を試してみてください。

  • うがいをする、水を飲む
  • 20分〜30分程度時間をあける
  • 空腹を避ける

もしアルコールが原因でない場合は、うがいをしたり20分〜30分程度時間をあけることで、正常な数値に戻すことが可能です。

また、空腹時はケトン体が体内で増加しやすく、アルコール反応が出る場合があるため、アルコールチェック前は空腹を避けるように注意しましょう。

7.まとめ |アルコールチェッカーの数値は1つの判断材料に過ぎない

本記事では、酒気帯び運転の基準値や罰則・処分内容について細かく解説しました。

飲酒した場合は、基準値に関わらず絶対に車両等を運転しないようにしましょう。

また、アルコールチェッカーは飲酒の有無を判断するための1つの判断材料であり、運転の可否を決定するものではありません。検知結果だけに頼らず、体調や顔色などを総合的に判断してください。

株式会社パイ・アール ロゴ

この記事の執筆者

株式会社パイ・アールPAI-R Co., Ltd.

安心・安全な交通社会の実現へ向けてさまざまな課題や解決を探求している 株式会社パイ・アール は、アルコールチェックをはじめドライバーの安全管理や業務管理にまつわるさまざまなお役立ち情報を発信しています。

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