【2024年】アルコールチェッカーを機能や使用目的ごとに比較!おすすめの10選
2023年12月にいよいよスタートした社用車(白ナンバー車)におけるアルコールチェッカーを用いた飲酒検査の義務化。
この記事を読んでいる皆さまの中にも、
「とりあえず安い商品で揃えた」
「検討時間があまりなかったためゆっくりと比較検討できなかった」
という方も多いのではないでしょうか?
法令で義務となった以上、今後ずっとアルコールチェックを続けていかなくてはなりません。確実に社員と会社を守るために、改めてこの機会にさまざまなアルコールチェッカーを比較してみましょう。
この記事ではおすすめのアルコールチェッカーを3タイプに分けて、それぞれ深掘りして比較した結果を解説します。
目次 / このページでわかること
1.アルコールチェッカーの選び方とは?専門メーカーが解説
業務用の白ナンバーでも運転前後のアルコールチェックが義務化となり、アルコール検知器メーカーもここ数年で非常に増えています。
そんな中、自社に適したアルコールチェッカーはどのような基準で選定したら良いのか、いったん安価で簡易的なアルコールチェッカーを導入したが今後も同じ運用のままで良いのか、迷われていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
ここではアルコールチェッカーの選び方についてポイント別に解説いたします。
【使用目的別】目的や機能で選ぶ
アルコールチェッカーは使用目的や運用方法、重視する機能などが選定のポイントとなります。
たとえば、業務での使用か個人での使用かといった用途や、直行直帰や出張があるかないかによって据置型と携行型どちらを使用するか、もしくはどのように組み合わせて使用するかを選ぶ必要があります。
また機能については、走行管理機能がついているものや位置情報取得機能がついているものなどがあるため、利用シーンにあわせて選ぶことができます。
【タイプ別】据置型・携行型のどちらかで選ぶ
アルコールチェッカーは大きくわけて据置型と携行型の2タイプに分類でき、主に利用シーンにあわせて使い分けます。それぞれの特徴を確認しましょう。
据置型
事務所に置いて複数名で共用するタイプで、パソコンやタブレットに接続して使用するものやレシートで結果が出力されるものが多いです。直行直帰や出張など出先で使用することがなく、内勤者など一度事務所に出向き社用車に乗り換えて運転をする方に向いています。
携行型
持ち運んで使用する小型軽量タイプです。単体で使用するものやスマートフォンと接続して使用するものが多く、営業など直行直帰や出張で運転頻度が高く出先でアルコールチェックをする方に向いてます。
事業所の状況や、事業形態によって使いやすいほうを選択しましょう。
【使用期間】センサーの寿命で選ぶ
アルコールチェッカーのセンサーは使用期限(寿命)が決まっており、使用年数と使用回数それぞれの上限が定められています。どちらかの上限に達した場合は校正やメンテナンスといったセンサーの交換が必要となります。
10人以上など大人数で使用する場合は、それに応じて使用回数上限が多い商品を選ぶ必要があり、逆に1人1台配布をするにもかかわらず、年間何万回も使用できるものはオーバースペックとなってしまいます。利用シーンにあわせて選びましょう。
【測定方法】ふきかけ式、ストロー式、マウスピース式から選ぶ
アルコールチェッカーに息を吹き込んで体内のアルコール濃度を測定しますが、吹き込み方法によって大きく差があります。
ふきかけ式
アルコールチェッカー本体に息を吹きかけるタイプです。付属品が不要で気軽に使用できますが、息以外の風にも反応するなど外気の影響を受けやすいため、検知結果に違いが出やすくなります。
ストロー式
飲料用などの使い捨てストローを使用するタイプで、直接息を吹き込むことができます。口をつける部分を毎回使い捨てできるので衛生的ではありますが、ストローを定期的に購入する必要があります。
マウスピース式
専用のストローのような吹き込み口を差して使用するタイプです。しっかりと息を吹き込めるため不正防止にも役立ちますが、専用マウスピースの購入や定期的な洗浄、劣化による交換が必要です。
それぞれのメリット、デメリットを把握した上で選択しましょう。
【サービス】メーカーサポートやメンテナンス体制で選ぶ
アルコールチェッカーは購入して終わりではなく、1年〜1年半程度に1回はメンテナンス(校正)が必要です。また精密機器であるため、規定の年数・回数以内であっても使い方などによっては故障してしまう可能性もあります。
法改正となった以上、今後半永久的に運用を続けなければいけないため、購入後のサポート体制も非常に重要です。故障の際には迅速に対応してくれたり、メンテナンスをお任せできるサービスを実施したりしているメーカーもありますので、比較検討の際には必ず確認しておきましょう。
2.アルコールチェッカーを使用目的(機能)ごとに3つに分類
アルコールチェッカーは大きくわけて3つのタイプに分類できます。なんとなく違いを理解していても、細かい違いについて理解していない方やどれもそれほど大差がないので価格が一番重要、と思われる方も多いのではないでしょうか?
ここではそれぞれの特徴とメリットとデメリットや、どのような企業に向いているかについて解説します。
使用目的や企業規模などに応じて自社にもっとも向いているアルコールチェッカーを選定しましょう。
簡易型アルコールチェッカー
アルコールチェッカー単体で使用し、記録機能をもたないタイプです。
買い切りタイプのため、センサー寿命を迎えたら使用できなくなり買い換えが必要となります。
大体のアルコールチェッカーは使用開始より1年〜1年半程度、もしくは使用回数1,000回〜5,000回程度のどちらか早いほうでセンサーの寿命を迎えます。
後に紹介する2タイプと比較すると安価で、もっとも安い商品だと5,000円/台程度から購入できます。
ネットや量販店でも購入できることから、手軽にアルコール濃度の測定ができます。
そのため個人で購入して前日の残り酒のチェックに使用している人もいます。
【手動】OCR撮影に特化したアルコールチェッカー
スマートフォンのアプリと連動し、OCR(光学的文字認識)と呼ばれる技術を用いてアルコールチェッカーに表示された数値をスマートフォンのカメラでスキャンして読み取るタイプです。
読み取った数値はクラウドやPC本体へ送信され、データ管理が可能となります。
次に紹介するクラウド管理型と比較するとアプリ利用料が安価な商品も多く、手軽にPCでデータ管理ができます。
【自動】クラウド管理を目的としたアルコールチェッカー
Bluetoothやケーブルでアルコールチェッカーとスマートフォン(もしくはタブレット)を接続してアルコールチェッカーから自動でスマートフォンへ数値を送信するタイプです。
自動送信のため測定した検知結果は自動で管理者へ報告され、不正やなりすましの防止にも役立てることができます。検知結果だけではなく、検知者の名前や顔写真、位置情報なども自動取得・自動送信できるものも多く記録・管理の手間を大きく軽減できます。
前に紹介した2つと比較すると高価になる商品もありますが、利用する人数が多い企業や拠点が複数に分かれる企業にはもっとも向いているといえます。
3.簡易型アルコールチェッカーおすすめ3商品を比較
まずは簡易型アルコールチェッカーのおすすめ3商品を比較していきます。
- ・タニタ EA-100
- ・東洋マーク AC-016
- ・ELECOM HCS-AC01BT
簡易型アルコールチェッカーに大きな差はないように感じるかもしれませんが、センサーの検知精度や持ち運びやすさ、操作性、記録機能の充実さなどそれぞれに特徴があります。「とりあえず一番安いもの」と安易に選ばず、サポート面なども含めて比較しましょう。
①タニタ EA-100
息を吹きかけるだけで呼気中のアルコール濃度の測定が可能です。操作性がシンプルで使いやすく約92gと軽量で小型のため、出先で検知するために鞄で携帯するのにも便利です。
ストローやマウスピースは用いず本体に直接呼気を吹きかけるタイプのため付属品の購入は不要です。
検知回数の上限が1,000回ということと、前回測定した値までしか記録には残らないため法人より個人で測定するのに向いている商品といえます。
測定後に内部にガスが残った場合は、数回振ることで取り除くことができます。販売実績は長く、J-BAC(アルコール検知器協議会)認定商品のため安心して利用できます。
ホワイトとネイビーの2色展開となっています。
対象 | 個人向け | タイプ | 携行型 |
---|---|---|---|
使用期間 | 1年もしくは1,000回 | 測定方法 | 吹きかけ式 |
サポート | 電話・メール 無償修理(規定あり) | J-BAC認定 | 〇 |
参考:株式会社タニタ「アルコールチェッカーEA-100」
②東洋マーク AC-016
測定結果を3段階の電子音で知らせてくれる、ボタンを押すだけで簡単に使用できるアルコールチェッカーです。重さも45g(電池含まない)と軽くて小さいため持ち運びがしやすく、出勤前の自宅での検知や出先での検知に適しています。
専用のマウスピースが付属しており、しっかりと息を吹き込めるため衛生的です。
センサーは電気化学式を採用しており外気の影響を受けにくいためアルコール以外にはほとんど反応しません。
使用回数の上限が1,000回、もしくはアルコール検知200回ということから個人で測定するのに向いている商品といえます。
15年以上の販売実績もあり、EN規格(EUの統一規格)を取得しているため電気的信頼面、機能面、安全面、衛生面などについても安心できます。
対象 | 個人向け | タイプ | 携行型 |
---|---|---|---|
使用期間 | 1年もしくは1,000回もしくはアルコール検知200回 | 測定方法 | マウスピース式 |
サポート | 不明 | J-BAC認定 | × |
参考:株式会社東洋マーク製作所「AC-016」
③ELECOM HCS-AC01BT
胸ポケットに収まる小型のアルコールチェッカーです。息を吹きかけてから5秒程度で検知結果を表示し、アルコールを検出するとLEDライトが赤く光ります。高精度の電気化学式センサーを採用しています。
Bluetooth機能が付いており、専用アプリ「ALSmart」をインストールすればアプリにも連動可能で、メールなどで管理者へ結果を共有できます。また「ALSmart」には使用期限がわかるアラート機能がついているため、使用状況の管理に活用することができます。
他にも前回使用した機器と異なる機器を接続した場合にもアラートが鳴るので、近くで複数名が同時に使用した際でも誤接続を防止することができます。
※その他、他社クラウド(スリーゼロ、AI-contact等)とも連携実績あり
対象 | 個人向け | タイプ | 携行型 |
---|---|---|---|
使用期間 | 1年もしくは2,000回 | 測定方法 | マウスピース式 |
サポート | 不明 | J-BAC認定 | 〇 |
参考:エレコム株式会社「アルコールチェッカー(ホワイト)“ALSmart” – HCS-AC01BTWH」
4.【手動】OCR撮影に特化したアルコールチェッカーおすすめ3商品を比較
次にOCR撮影によって検知結果を読み取るタイプのアルコールチェッカー3商品を比較していきます。
- ・アイリスオーヤマ ALPiT
- ・AIoTクラウド スリーゼロ
- ・ナビッピドットコム アルレポ
さまざまなメーカーのアルコールチェッカーに幅広く対応しているサービスもあれば、専用のアルコールチェッカーを使用するサービスもあります。
すでに導入しているアルコールチェッカーに特に大きな課題や不満がない場合は、その検知器を活用できるサービスだと導入しやすいですね。機能面はどれも似ているように見受けられますが、予算や目的、検知精度、サポート面などを比較して導入を検討するようにしましょう。
①アイリスオーヤマ ALPiT
アルコールチェッカーで測定した数値をスマートフォンのカメラ(OCR)で読み取りをしてクラウドで記録を一元管理できるのが特徴です。本サービスは、2023年6月より提供開始しました。
測定結果を読み取った後に顔写真を撮影し管理画面に記録を保存できます。
万が一アルコール反応が確認されたとしても、即時メールでお知らせが届くのですぐに気が付き飲酒運転防止につなげることができます。アルコールチェッカー代込みで月額980円(税抜)と業界最安値クラスです。
センサー寿命が近づいたら自動で新しいアルコールチェッカーが届くため、交換時期の管理も不要です。
サポート専門コールセンターも用意されており、不具合発生時の対応や使い方、運用方法のご相談にも対応可能です。最低契約期間は1年からで2年プランだとよりお得に導入できます。
対象 | 法人向け | タイプ | 携行型、据置型 |
---|---|---|---|
使用期間 | 1年もしくは2,000回 | 測定方法 | 吹きかけ式 |
サポート | 無償メンテナンス 電話・メール問い合わせあり | J-BAC認定 | 〇 |
参考:アイリスオーヤマ株式会社「アルコールチェック クラウド管理サービス「ALPiT」」
②AIoTクラウド スリーゼロ
対応しているアルコールチェッカーは100機種以上あり、その検知器で測定された結果をスマートフォンのカメラ(OCR)で読み取りクラウド上で管理するサービスです。
アルコールチェックの結果はスマートフォンで自動読み取りができ、登録も簡単にできます。
すでに購入済みのアルコールチェッカーを活用できる可能性も高く、また予算や目的にあわせて検知器を選択できる点がメリットです。
アプリ利用料(検知器料金は別)も月額300円(税抜)〜と始めやすい価格です。
車両予約機能もあり、予約状況からアルコールチェック未実施の運転者を検出できます。また、運転日誌との一元管理も可能です。
万が一アルコール反応が出ても、リアルタイムに実施状況がパソコンやスマートフォンから確認できるので、管理者はすぐに対応できます。
対象 | 法人向け | タイプ | 検知器による |
---|---|---|---|
使用期間 | 検知器による | 測定方法 | 検知器による |
サポート | HPよりお問合せ | J-BAC認定 | 検知器による |
参考:株式会社AIoTクラウド「アルコールチェック管理サービス『スリーゼロ』」
③ナビッピドットコム アルレポ
12機種(2023年12月時点)のアルコールチェッカーと連携しており、目的や予算に応じて選択することが可能です。Bluetooth対応のアルコールチェッカーの場合、Bluetoothで測定結果を送信することが可能ですが、Bluetooth非対応の場合はスマートフォンのカメラ(OCR)で読み取る方式です。
息を吹き込んでいる測定中の様子をスマホカメラで撮影し、撮影した画像データも保存可能です。
管理者は管理画面を見ていないときでもスマホから通知を受け取って承認でき、承認後はドライバーに通知が届きます。アルコール反応が出た際には自動通知することもできます。
アプリ利用料(検知器料金は別)も月額500円(税抜)〜と始めやすい価格です。最低契約期間は1年〜、最低契約数は5ID~となっています。
対象 | 法人向け | タイプ | 検知器による |
---|---|---|---|
使用期間 | 検知器による | 測定方法 | 検知器による |
サポート | 不明 | J-BAC認定 | 検知器による |
参考:ナビッピドットコム株式会社「アルコールチェック管理サービス『アルレポ』」
5.【自動】クラウド管理(スマホ連携)を目的としたアルコールチェッカーおすすめ4商品を比較
最後にスマートフォンと連携してクラウドへデータ送信・保存するタイプのおすすめ4商品をご紹介します。
- ・オートバックス ALCクラウド
- ・NTTコミュニケーションズ LINKEETH
- ・アネストシステム BSS for ALC
- ・PAI-R(パイ・アール) アルキラーNEX
アルコールチェッカーからクラウドシステムまで1社で一貫して提供しているメーカーもあれば、アルコールチェッカーは検知器メーカー、クラウドシステムは他のシステム会社が提供している場合もあります。サポート面や料金体系も先に紹介した2タイプと比較して多種多様となっていますので、何を重視しているのか整理した上で比較検討を行いましょう。
①オートバックス ALCクラウド
携帯しやすいスティック型のトライポッドワークス製のアルコールチェッカーです。ALCクラウド専用のアルコールチェッカーとなっており、センサーは半導体ガスセンサー式を採用しています。スマホアプリでBluetooth接続を行い検知するタイプです。検知の際には専用のマウスピース(ストロー)を使用します。
測定終了と同時に測定者を撮影し、乗務日や点呼方式、車両情報などを選んでから送信ボタンを押してサーバーへ送信することでデータ記録ができます。
異常値を検知した場合は、設定した管理者に自動通知されます。
本体価格は11,000円(税抜)/本、月額の利用料金は800円(税抜)/IDとなっています。
月額は安価で始めやすいです。1年もしくは検知回数2,000回のどちらか早いほうで本体の買い替えが必要になります。最低契約期間は1年〜となっています。
参考:トライポッドワークス株式会社「クラウド型遠隔アルコールチェッカー | ALCクラウド」
②NTTコミュニケーションズ LINKEETH
アルコール成分以外に反応しにくい電気化学式のセンサーを採用しています(NEO Blue(NEB-601)中央自動車工業(株)の場合)。サイズも小型で携帯するのにも最適です。
Bluetoothに対応していないアルコールチェッカーであっても、アプリにアルコール測定結果を手入力し検知結果をクラウドで保存することもできます。
すでに購入済みのアルコール検知器を活用したい方や、さまざまな機種のアルコール検知器の測定結果を一元管理したい方にはおすすめの商品です。
測定方法はアプリを起動し検知器とBluetoothで接続後、呼気を吹き込むだけでステップも少ないためドライバーの手間を減らすことができます。
万が一、アルコールを検知した際でもメールにて管理者へアラート通知が届くため、リアルタイムでの確認が可能です。
料金形態も拠点ごとの初期登録費用がなく、1アカウント無料など導入しやすい価格帯となっています。
参考:エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社「LINKEETH クラウド型アルコールチェックサービス」
③アネストシステム BSS for ALC
据置型の事務所測定型が1種類、携行型のスマホBluetooth連携タイプが2種類、簡易タイプが1種類の商品ラインナップとなっています。いずれのアルコールチェッカーも検知精度の高い電気化学式センサーを採用しています。
Bluetooth接続タイプであればスマホアプリで自動記録をして、顔写真と測定結果がクラウドへ自動送信され保存することが可能です。
大きな特徴は、運用方法や検知対象者数によって4種類の料金プランから選べる点です。
料金体系は初期費用は0円〜35,900円(税抜)/台、月額費用は0円〜2,700円(税抜)/台と幅広く用意されています。そのため、利用される方の運用ニーズに答えやすくなっています。
参考:株式会社アネストシステム「【BSS for ALC】アルコールチェック管理支援システム」
④PAI-R(パイ・アール) アルキラーNEX
スマートフォンとBluetoothで連動するアルキラーNEX専用のアルコールチェッカーです。半導体式ガスセンサーと呼気の吹き込みも感知できる圧力センサーも搭載しており、専用のマウスピースを用いて息を吹き込むため不正防止にも役立ちます。
撮影された顔写真から顔認証機能により検知者を自動で識別します。点呼方式や車両情報なども自動送信でクラウドに記録を残すことができます。
アルコール反応が出た際は設定した管理者に即時メールやチャットでアラート通知が送信されます。
多くの外部システムと連携しており、勤怠管理や車両管理、キーボックスなど多岐にわたります。
最大の特徴はサポート面で1年に1回無償でメンテナンス(カートリッジ交換)を行っており、交換時期の管理や毎年の支払いが不要な点です。故障時の修理や代替機の貸し出しなども無料(規定あり)で行っています。
参考:株式会社パイ・アール「アプリで簡単操作が可能なクラウド型アルコールチェッカー「アルキラーNEX」」
他にも、アルコールチェッカーがどこで買えるのかを解説した記事もありますのでぜひ参考にしてください。
関連記事:『アルコールチェッカーはどこで買える?市販(コンビニ・ホームセンター)やメーカーなどおすすめ購入先も紹介』
6.売れ筋の人気アルコールチェッカー10商品を徹底比較
上記でそれぞれ紹介したアルコールチェッカー合計10商品を比較表にまとめました。
できることできないこと、メリットデメリットが分かりやすくなっていますのでぜひ参考にしてください。
初期費用だけではなく毎年の校正(メンテナンス)費用や細かい機能の違い、サポート面なども比較検討にあたって重要なポイントです。
最終的には気になる商品をいくつかピックアップし、無料トライアルを試してみて実際の使用感も見てみましょう。WEBサイト上の情報のみでは分からない、使い勝手やアルコールチェッカーの検知精度、メーカーの対応なども身をもって体験できます。
基本情報 | 種類 | 簡易型 | 簡易型+OCR撮影 | クラウド管理型 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
概要 | アルコールチェッカー単体で使用し数値を測定する機械。 基本的に記録機能はなく、別途手書きやエクセルなどに記録が必要。 |
簡易型アルコールチェッカーで測定された数値をOCR(光学文字認識)にて読みとり、データを記録する。 自身で読み取る手間が発生する。 |
アルコールチェッカーで測定した数値をBluetoothなどでスマホアプリに接続し、クラウドへ送信する仕組み。 確実に正しい数値が送信でき、手間は削減。 |
|||||||||
社名 | タニタ | 東洋マーク | ELECOM | アイリスオーヤマ | AIoTクラウド | ナビッピドットコム | オートバックス | NTTコミュニケーションズ | アネストシステム | パイ・アール | ||
型番 | EA-100 | AC-016 | HCS-AC01BT | – |
– |
– |
– |
– |
– |
NEX-F SET | ||
サービス名 | – |
– |
– |
ALPiT | スリーゼロ | アルレポ | ALCクラウド | LINKEETH | BSS for ALC | アルキラーNEX | ||
価格(税抜) | 本体価格 | 5,000円~20,000円/台程度 | 5,000円~20,000円/台程度 | 8,000円~25,000円/台程度 | ||||||||
ランニング費用 | 0円 ※メンテナンス時の機器購入費が必要 |
300円~1,000円程度 | 660円~1,200円程度 | |||||||||
校正(メンテナンス)費用 | 機器再購入 | 機器(リビルド品)再購入 | 機器再購入 | 0円 | 検知器による(基本は機器再購入) | 検知器による(基本は機器再購入) | 11,000円 | 20,000円 (参考価格) |
検知器による(基本はセンサー交換) | 0円 | ||
サービス | 校正(メンテナンス)頻度 | 1年または1,000回 | 1年または1,000回またはアルコール検知200回 | 1年または2,000回 | 1年または2,000回 | 検知器による | 検知器による | 2,000回 | 1年半または10,000回 | 1年または機器ごとの上限検知回数に達した時 | 1年もしくは2,500回 | |
サポート体制 | 電話、メール、無償修理(規定あり) | 特に記載なし | 特に記載なし | 電話、メール、無償メンテナンス | HPより問い合わせ | 特に記載なし | サポートセンター(電話) | サポートデスク(電話)、保守、マニュアルあり |
サポートセンター(電話) | サポート窓口(電話、メール)、無償修理・無償メンテナンス(規定あり) |
||
サービス開始時期 |
2017年 | 2009年 |
不明 | 2023年 | 2022年 | 2022年 | 2021年 | 旧docoですcar:2001年、アルコールチェックサービス:2015年 |
2022年 | 2010年 |
||
機能 | 基本機能 | アルコール 数値測定 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
データ記録・保存機能 | △ 前回値まで保存可能 |
× |
△ スマホアプリと接続すれば記録可能 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
||
不正防止 | なりすまし 防止 |
× |
× |
× |
× ただし据置タイプは○ |
× |
△ 写真撮影 |
△ 写真撮影 |
△ 写真撮影 |
○ 顔認証+ |
○ 顔認証+ |
|
検知器認証 | × |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
○ |
||
検知忘れ 防止 |
検知漏れ リマインド |
× |
× |
× |
× |
○ |
× |
○ |
× |
○ |
○ |
|
オプション | 車両管理 | × |
× |
× |
× |
○ |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
※上記は2024年3月時点の内容です
比較した10商品のアルコールチェッカーは以下のとおりです。
- ・株式会社タニタ「EA-100」
- ・株式会社東洋マーク製作所「AC-016」
- ・エレコム株式会社「HCS-AC01BT」
- ・アイリスオーヤマ株式会社「ALPiT」
- ・株式会社AIoTクラウド「スリーゼロ」
- ・ナビッピドットコム株式会社「アルレポ」
- ・トライポッドワークス株式会社「ALCクラウド」
- ・エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社「LINKEETH」
- ・株式会社アネストシステム「BSS for ALC」
- ・株式会社パイ・アール「アルキラーNEX」
アルコールチェッカーの価格で比較
アルコールチェッカーの種類は多岐にわたり、手軽に購入できる5,000円程度のものから、高価なものだと30,000円以上になるものもあります。その価格の差は主にセンサー精度の差に現れることが多く、高価なものになると精度がよくアルコール以外のものに反応しづらい、息の吹き込みをきちんと感知できるためごまかしができないといったメリットがあります。
初めてアルコールチェッカーを使用する方は「まずは安いもので」と思われるかもしれませんが、現場のストレスの元とならないように実際にデモ機を借りて試したうえで、精度と価格のバランスを見極めましょう。
メーカーのサービスで比較
法令で義務化となった以上、今後も半永久的にアルコールチェックの運用を続けていかなくてはなりません。
例え価格が安く機能が充実していたとしても、メーカーのサポート、サービス面が手厚くないと現場の運転手に余計な手間やストレスをかけてしまいます。
たとえば、万が一の故障時の無償修理サービスや修理期間中の代替機の貸し出しサービス、普段の電話やメールでのお問合せの受け付け、毎年のメンテナンス(校正)の自動化などのサービスを実施しているメーカーもあります。毎日利用する運転手のことを考えてサービスが充実しているメーカーを選びたいですね。
アルコールチェッカーの機能で比較
一番重視したいのはやはり機能面です。比較する上で外せない機能は何なのか、しっかりと社内で方針を固めてから比較検討するようにしましょう。
機能面で重視したいポイントはまず「操作性」です。実際に毎日利用する運転手がいかに短時間でストレスなくアルコールチェックをできるかは非常に大切です。
そのほか、車両管理や免許証の期限切れ・不携帯防止、運転日報との連動などアルコールチェックだけではなく他にもしなければならない業務とまとめて管理できる機能があれば運転者も管理者も楽になりますね。
最後に忘れてはならないのが、なりすましや不正の防止機能です。
せっかく全員分のアルコールチェッカーを購入して配布したにも関わらず、飲酒したドライバーが他の人に代わりに報告させる、などということが起こってはお金をかけて購入した意味がありません。
「自社の社員に限って」と思われるかもしれませんが、不正やなりすましは実際に多く発生しており、そのたびに大きな問題となっています。
顔写真撮影や顔認証機能、検知器の認証機能、位置情報の自動取得などの機能を有するものを選びましょう。
7.パイ・アールがおすすめするアルコールチェッカー5商品
先ほど紹介した10商品の中から、私たちパイ・アールがさらにおすすめするアルコールチェッカー5商品を紹介します。
この章の商品は
- ・アルコールチェッカーのセンサー精度
- ・検知結果の正確さ(不正やなりすまし防止の充実度)
- ・利用者、管理者双方にとって負担の少ないもの
- ・サポートや保守の充実度
といった点を総合的に見て絞りました。それぞれ選んだ理由も記載していますので、とくに自社に向いていると思う商品を選定してください。
①PAI-R(パイ・アール) アルキラーNEX
サービス提供は2010年からと実績もあり、アルコールチェッカーのセンサー精度も高く、なりすまし・不正防止機能が搭載されています。導入後のサポート体制も充実しており、拠点数の多い法人での導入に向いています。
また、自社で100%システム開発を行っているため、ユーザーの要望にあわせて適宜アップデートや機能改善される点も高評価となっています。
毎年のメンテナンスも自動でメーカーが行ってくれることから、業界問わず大手企業での導入実績が多くあり、とくに利用人数や使用拠点の多い企業向けです。
アルコールチェックだけではなく走行管理、免許証の有効期限管理などのオプションもあります。
②NTTコミュニケーションズ LINKEETH
Bluetooth接続のアルコールチェッカーは、精度が高く販売実績のある電気化学式センサーを採用したアルコールチェッカーのため、安心して使用できます。
Bluetooth非対応のものでも手入力で検知結果を記録に残せるため、まずは手軽にクラウド管理をスタートしたい企業にもおすすめです。
料金体系もシンプルで、アプリやシステムにかかる費用を抑えることができます。
ドライブレコーダーも平行して利用すれば、走行履歴とアルコールチェック結果の連携が可能です。一元的に管理できるため管理者の負担を軽減でき、サポートデスクや保守も充実している点がおすすめです。
③オートバックス ALCクラウド
Bluetooth接続タイプで小型で持ち運びしやすいアルコールチェッカーのため、遠隔地で検知する直行直帰や出張の多い業種・職種に向いている製品です。
使い方も料金体系もシンプルで、初めてクラウド型を導入する企業でも分かりやすいかと思います。
使用期限を迎えた検知器は、新たに購入して交換しますが、本体価格は比較的安価で続けやすい料金体系となっています。検知結果は数値ではなくライトで判別するタイプです。
④アネストシステム BSS for ALC
据置型と携行型の両方をラインナップしており、利用する部署や使い方にあわせて導入できます。
走行記録や運転日報、出退勤管理もあわせて管理ができ、車両に関するさまざまな管理項目を一元管理したい企業に向いています。
また月額費用にセンサー交換の費用が含まれており、交換時には自動で先にメンテナンス品が送付されるため、検知器交換の手間や費用を削減できます。サポートデスクもあり、不明なことは気軽に問い合わせが可能です。
⑤AIoTクラウド スリーゼロ
一部の機種はBluetooth接続にも対応していますが、OCR読み取りタイプと連携している機種が圧倒的に多く、すでに利用しているアルコールチェッカーを活用できることが最大のメリットです。アプリ利用料も安価で初めてアルコールチェッカーを使用する企業にとっては手軽に始めやすいです。
車両予約や運転日報との一元管理も可能で、記入や確認の手間を軽減することができます。
8.専門メーカーが答える!アルコールチェッカーのQ&A
ここからはアルコールチェッカーに関してよくある質問を、クラウド管理型アルコールチェッカーを2010年から提供している弊社パイ・アールから回答します。
なんとなく使っているけど聞かれると分からない、といったことも意外とあるのではないでしょうか?正しく測定するために正しい知識を身につけましょう。
- なぜ息を吐くだけでアルコール量がわかるの?
-
呼気で飲酒の有無を確認できるアルコールチェッカーはどのような仕組みでアルコール量を検出しているのでしょうか?
アルコールを摂取すると、飲んだ量の20%程度は胃から、残りは小腸上部から約1〜2時間でほぼすべて吸収されます。
吸収されたアルコールは肝臓で分解され、分解しきれなかったアルコールは血液とともに全身をめぐり、再び肝臓に戻って分解が行われます。血液とともに全身をめぐり肺に辿りついたアルコールの一部が呼気として排出されるため、呼気中にもアルコールが含まれます。
アルコールチェッカーに搭載されているガスセンサーが、呼気に含まれるアルコール量を測定し、数値や色、音などによってアルコールの有無を表示します。関連記事:『アルコールチェッカーって鼻息でも測定出来る?』
- 市販のアルコールチェッカーは選ばない方がいい?
-
市販のアルコールチェッカーは種類が非常に豊富ですがその分、質もピンキリです。
もちろん検知精度が高く質の良いアルコールチェッカーもありますが、とくに極端に安価なものやネットで購入の際には注意が必要です。実際にはアルコールを含んでいるにもかかわらずゼロと表示されてしまった場合、使用者はそのアルコールチェッカーが正常に作動しているか否かを判断することは難しく、アルコールチェッカーを信用してしまう可能性が高くなります。
アルコールチェッカーの選定は飲酒運転に関わる重要な業務ですので、重視するポイントや運用方法などを考慮してから購入するようにしましょう。
- 使うアルコールチェッカーが違えば数値も違うの?
-
アルコールチェッカーは呼気中のアルコール濃度を測定することができる便利なツールですが、飲酒の有無を100%正しく測定できるわけではありません。
アルコールチェッカーによってセンサーの種類が違っていたりセンサーの検知精度に差がある場合もあります。また、有効期限が切れていたり検知器本体が故障している場合は正しく測定できない場合もあります。そのため、毎日利用するアルコールチェッカーは1週間に1回程度、定期的に正常に作動するかどうかを確認し、正しくアルコールの有無が測定できるように管理しておきましょう。
- アルコールはどのくらいの時間で身体から抜けるの?
-
1単位(純アルコール量に換算して20g)のアルコールが抜けるまでの目安時間は体重60kgの方でも4時間ほどかかると言われています。
1単位のアルコールとはアルコール度数5度のビールであれば500ml(ロング缶1本)程度に相当します。人によっては1〜2時間程度で「アルコールは抜けた」と感じる方もいるかもしれませんが、実際に数値を測定するとアルコールが残っているケースは多くあります。
また、睡眠をとっている間はその分解速度は1/2程度になると言われており、アルコールが抜けるまでにより多くの時間を要します。決して「寝れば大丈夫」と思わずにアルコールチェッカーで測定する数値を参考にし、自分の場合はアルコールが抜け切るまでにどの程度の時間がかかるのか把握しておきましょう。
- アルコールチェックは義務化されたの?
-
2022年4月より社用車(白ナンバー車)を5台以上(もしくは定員11人以上の車両を1台以上)保有している事業者は、運転前後に安全運転管理者が運転者の顔色、声色などを確認し、飲酒状態を確認することが義務付けられました。
また2023年12月からはこの飲酒検査を行う際に、アルコールチェッカーを使用することが義務付けられています。
飲酒検査結果は1年間記録保存を行う必要もあり、その記録必須項目は確認者名、確認方法などを含めて8項目にもおよびます。
アルコールチェッカーを使用すればOK、というわけではありませんのでくれぐれも注意しましょう。
9.まとめ
アルコールチェッカーにはさまざまな種類があるため、選定するためにまずは運用イメージや必要な機能、重視すべきサービスは何かを考える必要があります。
また「とりあえず検知できればいいや!」という考えでは法令を遵守することはできません。
センサーの検知精度や必要な記録が残せているか、導入後のサポートは充実しているか、などをしっかりと見極めたうえで最適なアルコールチェッカーを見つけることが重要となります。