アルコールが抜ける時間と計算方法|飲酒後の運転は何時間後から大丈夫?

飲酒すると気分が高まり楽しい気持ちになるため、お酒はコミュニケーションを取ることや、距離感を近づけるための大切なツールとも言えます。自分のペースや体調を理解したうえで飲酒をすることは悪いことではありません。しかし、アルコールの分解にどれくらいの時間がかかるのか知らずに飲み続けると、大変危険な状態になりかねません。
ちなみに、アルコール1単位(ビール500ml、日本酒180ml)あたりの分解にかかる時間は4〜5時間程度です。
ここでは、
- ・アルコールを分解する流れ
- ・分解にかかる時間
- ・アルコールを早く抜く方法
を詳しく解説します。
1.アルコールが抜ける(分解される)までの流れ
2.飲酒後に運転できるようになるまでの時間
3.酒類の違いによるアルコール量の分解スピード
酒類によるアルコール量の違い
アルコールの分解スピードを把握するために、アルコールの1単位とは何かを理解しましょう。
1単位とは、20g前後の純アルコール量のことで、下記表は各酒類1単位あたりの目安量となります。
酒類 | ビール | 日本酒 | ウィスキー | ワイン | チューハイ | 焼酎 |
---|---|---|---|---|---|---|
量 | 500ml | 180ml | 60ml | 200ml | 350ml(7%) | 100ml(25度) |
厚生労働省が公表している「節度ある適度な飲酒」に記載がある通り、男性は1日当たり純アルコール10~19g、女性は1日当たり9gまでがもっとも死亡率が低く、1日当たりのアルコール量が増加するに従い死亡率が上昇すると言われています。
とくにチューハイは、すっきりと飲める飲料でお酒の苦手な方でもゴクゴク飲めますが、一杯飲んだだけでもあっという間に20gに到達してしまいます。そのため、「ウイスキーをたしなむ上司」よりも「楽しく何杯もチューハイを飲む友人」との飲み会のほうがアルコール量が多くなる、ということが起きえます。
このように酒類によって、1単位の量が異なるので理解を深めて適度な飲酒量を心がけていきましょう。
参考:厚生労働省「(3)節度ある適度な飲酒」
アルコールの分解時間と計算式
1時間で分解できる量の目安を求める計算式は、「体重(kg) × 0.1 = 1時間で分解できるアルコール量(g)」です。
たとえば、60kgの人の場合は、1時間で分解できるアルコール量は6g、70kgの人は7gになります。
ただし、1単位あたりのアルコール分解にかかる時間の目安は、体質・体重・体格・年齢・性別などにより個人差があります。
- ・お酒が飲める男性は、飲み終わってから約4時間
- ・お酒が弱い人、女性、高齢者は、飲み終わってから約5時間
3単位飲んだら半日以上はアルコールが体内に残ります。朝起きたときも前夜のアルコールが残っている可能性が高く、この状態で運転すれば飲酒運転になる恐れがあり大変危険です。
また、睡眠中はアルコールの分解が遅れてしまうので、寝たら分解されているという認識は誤りとなります。
蒸しパンを食べても、アルコール反応はでるの?
飲酒をした場合にアルコールチェッカーを用いて検知をするとアルコール反応が出ることは周知の事実ですが、実はお酒以外にもアルコール反応が出るケースがあります。
最近起こった事例としては、バスの運転手が出勤前に営業所近くのコンビニに寄って蒸しパンを購入し社内で食べた後、乗務前のアルコール検査で呼気から0.11ミリグラムのアルコールが検出されたケースがあります。
一見蒸しパンとアルコールとでは関係がなさそうに思えますが、実は蒸しパンには「酒精」という食用に使われるアルコールが含まれています。アルコールチェッカーの精度が良いゆえに飲酒以外でもアルコールを検出することは、蒸しパン以外でも起こり得ます。
歯を磨いた直後や、体質によっては空腹時の検査、マウスウォッシュで口内のリフレッシュをした後や煙草を吸った直後など、アルコール反応が出るケースは多々あります。
【参考資料】『アルコールチェッカーの測定結果に影響を与える物質』
アルコールを摂取していないと思っても、実際にアルコールチェッカーを利用する直前にはこうした食品を摂取しない、あるいは飲食後は口をすすいでから15分程度時間を空けて測定することで対策が可能です。
もし飲酒をしていた場合は口をすすいでもアルコール反応が出るように設計されているため、「飲酒をしたのか、上記の行動によるアルコール反応か」についての判別はできるので安心してアルコールチェッカーをご利用ください。
また、アルコールチェッカーは市場に多く出回っていますが、センサーの精度が厳密ではない検知器も多くあります。導入を検討する際は高精度のアルコールチェッカーがおすすめです。
参考:朝日新聞デジタル「蒸しパン食べてアルコール検知「業界で常識」、市バス運転手を処分」
4.飲酒後にアルコールを早く抜く方法
5.まとめ
今回の記事のポイントを下記にまとめました。
- ・体質、体重、体格、年齢、性別によってアルコールが分解できる量が異なる
- ・1時間で分解できるアルコール量(g)の計算式は、体重(kg) × 0.1
- ・アルコールを早く抜く明確な方法はないが、もっとも効果的な対策は安静に過ごすこと
お酒を飲むと、とても楽しい気持ちになりますが、飲酒運転や悲惨な事故を防ぐためにも節度ある適度な量を守りましょう。