飲酒運転を防止する5つの取り組み|飲酒運転の危険性や処分・罰則も合わせて解説

アルコールチェックの義務化ルールを徹底するためには、飲酒運転の危険性や法的処分について理解することが重要です。これにより、アルコール検知への抵抗が減り、適切に法令に対応することができます。
この記事では、飲酒運転の危険性とその防止に向けた5つの取り組みを解説します。

1.飲酒運転が危険な理由

飲酒運転は、ビール等の酒類やアルコール成分を含む飲食物を摂取し、アルコール分を体内に保有した状態で運転する行為です。アルコールには麻痺作用があり、脳の働きを麻痺させて視力の低下や知覚や運転能力をつかさどる機能が抑制されてしまいます。

そのため飲酒時には、安全運転に必要な情報処理能力、注意力や判断力が低下している状態になり、交通事故に結びつく危険性を非常に高めてしまいます。

またお酒に弱い人に限らず強いと言われる人でも、低濃度のアルコールで運転操作等に影響を及ぼすことが各種研究でも明らかになっています。

飲酒が運転操作に与える影響

飲酒が運転操作に与える影響は主に5つあります。

①ハンドル・ブレーキ操作が遅れる

アルコールを摂取した状態では判断を司る大脳皮質の働きが低下していることから、急な歩行者の飛び出しがあった場合にブレーキ操作が間に合わないという事態が起こりえます。

また、理性が失われていることから乱暴なハンドルさばきをしてしまい、運転車両の全損のみならず物損事故や歩行者への激突など重大な事故を起こしかねません。

②速度超過の危険がある

飲酒をすると気持ちの高ぶりなどによるアクセルを踏みっぱなしにした運転や、判断力の低下によりスピードの出しすぎに気が付かずに運転をし続ける可能性があります。

また、最近の自動車は安全装置なども発達してきていますが、速度超過時は安全装置の作動域を超える運転になる可能性もあります。

③視野が狭くなる

軽めの飲酒であっても動体視力が落ち、有効な視野が狭くなり検出力が低下すると研究でも判明しています。
普段の運転であれば追い越し車両への反応や飛び出しの車両や歩行者に対処できても、視野が狭くなっている状況では対応が追いつかず車対車の事故や死亡事故につながりかねません。

④車間距離が掴めなくなる

停車中の前方車両との距離感覚が掴めなくなり、道路交通法で定められている「直前の車が急停止してもこれに追突しない距離を保持すること」に違反した運転をしてしまう可能性が高くなります。
罰則はもちろんのこと前方車両との衝突や接触事故の可能性は否めません。

⑤蛇行運転の危険がある

ハンドル操作にも繋がりますが、飲酒により体の平衡感覚が乱れているため、直進運転が出来ずに蛇行運転をする可能性が高まります。信号無視や歩行者の見落とし、カーブを曲がり切れず壁への激突や車両の落下など、悲惨な事故が起こりえます。

飲酒による運転への影響に関しては「飲酒による運転への影響」でも罰則などの詳細を記載しています。より詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

2.飲酒運転を防止する5つの取り組み

ここでは、飲酒運転を未然に防ぐための5つの対策を紹介します。

①点呼の徹底

飲酒運転を確実に防止するためには対面などによる点呼の徹底が必須です。
アルコール検知器での検知はもちろんですが、対面や電話でのリアルタイムでの確認を実施することが大切です。不正をしていないか、異常はないか等の確認も行いましょう。

②従業員への指導・啓蒙活動

実際に運転をする社員への指導や啓蒙活動も重要です。
「なぜ飲酒運転をしてはいけないのか」「飲酒運転はどう危険なのか」が十分に理解できていないと、アルコール検査を形骸化し飲酒運転に対する意識が低くなり、つい飲酒運転をしてしまうケースも発生してしまいます。運転を実施する社員への「飲酒運転」に関する教育を徹底しましょう。

③高性能なアルコールチェッカーの導入

ただアルコールチェッカーを導入するだけでは飲酒運転を確実に防ぐことはできません。
呼気中のアルコール濃度を正確に計測できる機器なのか、誤反応は少ないかなど精度が保障されている検知器を導入することも飲酒運転を防止する大きな一歩となります。

④社内処分の強化

飲酒運転に対する処罰や罰則はもちろん重い内容でありますが、社内での処分も強化する必要があります。
酒気帯びを確認した際の「乗務禁止」を命じるなどの厳正な処分があれば、社員の飲酒運転に対する意識も高められます。企業での飲酒運転に対する懲戒規定の制定や見直しを行うことも重要です。

⑤ハンドルキーパー運動

「ハンドルキーパー運動」とは、「グループが自動車で飲食店などに行き飲酒する場合、グループの中でお酒を飲まない人(ハンドルキーパー)を決めます。そしてその人はお酒を飲まずに、飲食後、仲間を安全に自宅まで送り届ける。」という飲酒運転防止運動です。

運動を推奨している飲食店では、運転手に酒類を提供しないような配慮をしたり、ソフトドリンクを無料で提供している店舗もあります。

3.飲酒運転による処分・罰則

飲酒運転をしてしまうと行政処分だけではなく、重い罰則もあります。また罰則は運転者だけではなく、同乗者や車両提供者にまでおよびます。それぞれどのような罰則があるのか見ていきましょう。

酒酔い運転をした場合

「酒酔い運転」とはアルコール濃度の検知値に関係なく、アルコールの影響で正常な運転ができない恐れがある状態で運転することを指します。

運転者

当然のことですが、飲酒運転をした人には重い処分が与えられます。

行政処分 ※1 違反点数 35点
免許取消(欠格期間3年 ※2
罰則 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

(※1)行政処分とは、前歴や累積の点数がない状態における処分内容
(※2)欠格期間とは、運転免許が取り消された場合に運転免許を取得することができない期間

もし、飲酒運転をして人を死傷させてしまった場合は「危険運転過失致死傷罪」や「危険運転致死傷罪」としての処分を受けることもあります。

車両提供者

運転手が飲酒をしたことを知りながら車を貸し出した人は、「車両等提供罪」に該当します。提供者の定義としては、車両の名義ではなく、鍵を渡した・使用を許可したなどの任意の行為があった際に「車両等提供罪」が成立します。

罰則 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

同乗者

運転手に対してアルコール類を提供したり飲酒をすすめた場合や、飲酒運転と知っていて同乗することを依頼する行為にも重い罰則があります。

罰則 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

酒気帯び運転をした場合

「酒気帯び運転」とは呼気中のアルコール濃度が1リットルあたり0.15mg以上含まれている状態で運転することを指します。

運転者

飲酒運転をした運転手には重い罰則も与えられます。

  呼気に含まれるアルコール濃度が
1リットルあたり0.15mg以上0.25mg未満
呼気に含まれるアルコール濃度が
1リットルあたり0.25mg以上
行政処分 違反点数 13点 違反点数 25点
免許停止(停止期間90日) 免許取消(欠格期間2年)
罰則 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

車両提供者

運転手が酒気帯び運転した場合

罰則 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

同乗者

運転手が酒気帯び運転した場合

罰則 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金

 

関連記事:『酒気帯び運転(飲酒運転)とは|基準や処分・罰則内容をわかりやすく解説

4.飲酒運転の防止策に関するよくある質問

飲酒運転を防止するための対策は色々存在します。
ここでは飲酒運転の防止策に関するよくある質問を見ていきましょう。

飲酒対策の具体例は何ですか?

飲酒対策の具体例は下記の5つです。

  • ・飲まない宣言を行う
  • ・飲酒運転の正しい知識を身に着ける
  • ・アルコールの影響を過小評価しない
  • ・運転代行を使用
  • ・公共の移動手段を利用
飲酒運転をなくすための3つの約束とは何ですか?

【飲酒運転をなくすための3つの約束】

①お酒を飲んだら運転しない

運転者はお酒を飲んだら運転せず、公共交通機関や運転代行を利用しましょう。
翌日のアルコールの残量などは個人差によって異なり、翌朝にもアルコールが残っている可能性もあります。そのため翌日運転する場合は、それを考慮した飲酒量や時間を心がけましょう。

②運転する人にお酒を飲ませない

運転する可能性のある人にはお酒をすすめたり、飲ませることはやめましょう。

③お酒を飲んだ人には運転をさせない

飲酒した人には絶対に運転をさせないこと、飲酒をした人の車へは同乗しないことを徹底しましょう。

 

参考:PR TIMES「飲酒運転根絶のために!「3つの約束」

5.まとめ

今回の記事のポイントをまとめました。

  • ・飲酒運転が危険な理由や罰則や処分について理解することが大切
  • ・点呼の徹底や社員の指導、ハンドルキーパーの利用などで飲酒運転を防止する取り組みが必要
  • ・お酒を飲んだら運転しない、周りも運転させないなどドライバーだけでなく周囲も強い意思を持つことが大切

飲酒運転を根絶するためには、飲酒運転が非常に危険な行為であることを十分理解した上で、運転者とその周囲の人が飲酒運転は「しない!」「させない!」という強い意志を持ち、皆で協力することが大切です。

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