酒気帯び運転(飲酒運転)とは|基準となる数値や罰則内容をわかりやすく解説
「酒気帯び運転(飲酒運転)の基準や罰則は厳しい」という話を、皆さまはニュースだけでなく社内の安全運転教育などでも耳にしたことがあるかと思います。
一方で、飲酒運転が重大な交通違反であることは理解していても、以下のような疑問を持つ方も少なくありません。
- 飲酒運転にはどのような区分があるのか?
- 酒気帯び運転と酒酔い運転の基準は?
- 飲酒運転をした場合、どのような罰則を受けるのか?
こうした疑問を解消するために、この記事では、飲酒運転の種類や基準となる数値、罰則の内容について分かりやすく解説します。
また、運転者本人だけでなく、同乗者や提供者に科される罰則についても解説します。飲み会に参加する方や幹事を務める方、飲食店を経営されている方も、ぜひ参考にしてください。
目次 / この記事でわかること
1.酒気帯び運転(飲酒運転)の基準値
その後2007年には飲酒運転の罰則が強化され、2009年に違反点数が引き上げられ現行の内容になっています。
道路交通法上、酒気帯び運転となるのは呼気1Lあたり0.15mg以上、または血液1mlにつき0.3mg、又は呼気1Lにつき0.15mg以上のアルコールが検出された場合です。
さらに、0.25mg以上になると免許取り消しという重い罰則の対象になります。
また、数値が0.15mg未満でも、ふらつきや会話の異常などから「正常な運転ができない恐れがある」と判断されると、酒酔い運転としてさらに厳しい罰則が科される可能性があります。
2.飲酒運転・酒気帯び運転・酒酔い運転の違い
2-1 酒気帯び運転
呼気中のアルコール濃度が1リットルあたり0.15mg以上含まれる状態で運転することを指します。
たとえ運転や警察官との話し合いに問題がなくても、呼気中のアルコール濃度の基準を超えた時点で行政処分や罰則を免れることはできません。
そもそも、飲酒後の運転は禁止されている行為です。お酒に強いから大丈夫という自己判断は通用しません。
2-2 酒酔い運転
アルコール濃度の数値には関係なく、アルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある状態で運転することを指します。
- まっすぐに歩けない
- 受け答えがおかしい
- 視覚が健全に働いていない
など、認知能力低下の有無で判断されます。
呼気中のアルコール濃度が処分対象の値に満たない場合でも、体質によっては酒酔い運転に該当することもあります。
飲酒運転の中でも、危険性が高い違反として扱われる区分です。
次章では、飲酒運転の行政処分について見ていきましょう。
3.飲酒運転の行政処分と基準となる数値
飲酒運転の行政処分には、アルコール数値や酒酔いの状態によって、「運転免許の停止」と「運転免許の取消」の2種類が適用されます。
処分内容や処分期間は、違反点数に応じて確定します。以下の表では、違反行為の種類ごとに科される行政処分の内容を整理しています。
| 違反行為 | 行政処分※1 | 違反点数 |
|---|---|---|
| 酒気帯び運転① 呼気に含まれるアルコール濃度が 1リットルあたり0.15mg以上0.25mg未満 |
免許停止(停止期間90日) | 13点 |
| 酒気帯び運転② 呼気に含まれるアルコール濃度が 1リットルあたり0.25mg以上 |
免許取消(欠格期間2年 ※2) | 25点 |
| 酒酔い運転 アルコールの影響により正常な運転ができない恐れがあると判断された場合 |
免許取消(欠格期間3年 ※2) | 35点 |
(※1)行政処分とは、前歴や累積の点数がない状態における処分内容
(※2)欠格期間とは、運転免許が取り消された場合に運転免許を取得することができない期間
参考:飲酒運転の罰則等|警視庁
免許停止3か月でも著しく日常生活や業務に支障をきたしますよね。
「酒は飲んだがアルコールは抜けたはずだから、運転しても自分はきっと大丈夫だ」と過信すると酒酔い運転になることもあります。酒酔い運転になると免許取消だけではなく、3年間は免許の再取得もできません。
では、酒気帯び運転に該当する飲酒量は、具体的にどれくらいなのでしょうか?
関連記事:『従業員の飲酒運転(酒気帯び運転)による会社の責任と仕事への影響|事例と対策4選』
酒気帯び運転になる例:ビール中瓶1本の場合
ビール中瓶1本を飲んだ場合でも呼気中のアルコール濃度は0.10mg〜0.20mgになると言われています。
アルコール濃度が0.15mgを超えている場合は酒気帯び運転に該当し、0.15mgを下回っている場合でも酒酔い運転だと認定されることもあります。
また、実際に呼気中のアルコール濃度が1リットルあたり0.10mgでも、反応時間の遅れや注意力が散漫になると言われています。量にかかわらず、少しでもお酒を口にした場合は運転をしないようにしましょう。
ちなみにビール中瓶1本を飲んだ場合、体質によっても変動しますが体重60kgの男性でもアルコールが分解されるまでに4時間以上かかります。
もし浴びるように酒を飲んだ翌日に、万が一周りに車の運転を懇願されたとしても絶対に運転を代わってはいけません。公共交通機関を利用しましょう
あくまで一般的な目安であり、「4時間以上経てば運転しても良い」という意味ではないことに注意してください。いかなる場合でも飲酒後の運転は控えましょう。
株式会社パイ・アールでは、実際に飲酒をした場合、どれくらいでアルコールが抜けるのか実験を行いました。詳しくは以下の関連記事をご覧ください。
4.酒気帯び運転・酒酔い運転による罰則
4-1 運転者
| 酒気帯び運転 | 3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 |
|---|---|
| 酒酔い運転 | 5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 |
当然のことながら、飲酒運転をした人には重い罰が与えられます。
「本当は運転したくなかったが、無理矢理に運転をすすめられて仕方なく運転した」など、いかなる事情があったとしても、罰則の対象です。そのため、周りにすすめられても飲酒後は絶対に運転をしてはいけません。
もし、飲酒運転をして人を死傷させてしまった場合は「過失運転致死傷罪」や、より重い「危険運転致死傷罪」として罰則が科される可能性もあります。
飲酒運転の危険性や、防止するための取り組みについて以下の関連記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
4-2 同乗者・酒類提供者
運転者に対してアルコール類を提供したり飲酒をすすめたりした場合や、飲酒運転と知っていて同乗することを依頼する行為にも罰則が与えられます。
| (運転者が)酒気帯び運転 | 2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金 |
|---|---|
| (運転者が)酒酔い運転 | 3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 |
運転者の飲酒の事実を知りながら車に同乗した場合や、車や自転車で帰る事実を知りながら酒類を提供した場合、上記の罰則が科されます。
もし、自分以外が飲んでいた場合は「飲んでいないから運転します」と名乗り出ましょう。どうしても運転したくない場合や運転できない状態の場合は、運転代行サービスや公共交通機関を利用しましょう。
関連記事:『飲酒運転の危険性や処分・罰則など具体例を交えて解説』
4-3 車両提供者
運転者が飲酒をしたことを知りながら車を貸し出した人は、「車両等提供罪」に該当します。提供者の定義としては、車両の名義ではなく、鍵を渡した・使用を許可したなどの任意の行為があった際に「車両等提供罪」が成立します。
| (運転者が)酒気帯び運転 | 3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 |
|---|---|
| (運転者が)酒酔い運転 | 5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 |
車両提供者と運転者の罪の重さは変わりません。そのため、「どうしても運転をしたい」と飲酒者が運転を望む場合でも、毅然とした態度で断る必要があります。
関東電気保安協会様は、LINE WORKSを用いて有反応が出た際には、必ず0.00mg/ℓになるまで再検知を実施されています。0.00mg/ℓにならない場合は、管理者よりその日は運転をしないように指示をされています。詳しくは以下の導入事例をご覧ください。
関東電気保安協会様 | 導入事例
5.【Q&A】酒気帯び運転に関するよくある質問
アルコールが完全に抜けるまで、どれくらいの時間が必要?
体重が60㎏の方で、ビール中瓶1本分のアルコールが抜けるまで4時間以上かかります。
アルコールが体から抜ける時間は、体質、体重、体格、年齢、性別などによって異なります。
「数時間経ったから大丈夫」と時間だけで判断せずに、「飲酒した日は運転しない」「翌日に運転する場合は、事前にアルコールチェッカーで測定する」など、ルールを決めておくことが大切です。
なお、以下の関連記事では、アルコールの代謝にかかる時間について詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
飲酒検問でアルコールチェックを拒否したらどうなる?
警察官からの飲酒検査を、正当な理由なく拒否した場合は「呼気検査拒否罪」が科される可能性があります。
【道路交通法第118条の2】
第六十七条(危険防止の措置)第三項の規定による警察官の検査を拒み、又は妨げた者は、三月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
引用元:道路交通法|e-Gov 法令検索
現行犯逮捕のケースも多く、飲酒運転の罰則より先に適用される場合があります。
前日の飲酒でも酒気帯び運転になる可能性はある?
前日の夜に大量飲酒した場合や、寝酒をした場合、翌朝までアルコールが体内に残っている可能性があります。
睡眠不足や体調不良のときは、アルコールの分解が遅れやすいとされており、「寝たから大丈夫」と自己判断すると酒気帯び運転に該当する可能性があります。
少しでも体調がすぐれないと感じたら、運転を控え、公共交通機関を利用するなど、慎重な行動をとりましょう。
ノンアルコール飲料やみりんでも酒気帯び運転になる?
アルコール度数0.00%と表示されている飲料であれば、通常の量を飲む限り、体内からアルコールが検出されることはありません。
ただし、わずかにアルコールを含むノンアルコール飲料を大量に飲んだ場合、極めてまれに基準値を超えるアルコールが検出される可能性があります。
また、みりんや料理酒などの場合、煮切ることでアルコールが飛ぶため、基準値を超えるアルコールが検出される可能性は極めて低いとされます。
自転車の飲酒運転でも、車の免許が停止されるって本当?
飲酒後に自転車を運転する場合も罰則の対象です。車やバイクの運転免許が停止、もしくは取消し処分になる可能性があり、車の飲酒運転と同じ罰則が科されます。
2024年11月1日の道路交通法改正により、従来の酒酔い運転に加え、酒気帯び運転も罰則の対象となりました。なお、自転車を押して歩く場合は「歩行者」扱いとなるため、罰則の対象ではありません。
以下の関連記事では、自転車で飲酒運転した場合の罰則や事故対応について詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
6.まとめ|酒気帯び運転(飲酒運転)の基準となる数値を把握し安全に努めましょう
今回の記事のポイントをまとめました。
- 飲酒運転は酒気帯び運転と酒酔い運転の2つに分かれる
- 呼気中に含まれるアルコール濃度によっては免停もある
- 飲酒運転をした本人だけではなく、同乗者や酒類提供者、車両提供者にも罰則がある
「自分はお酒に強いから大丈夫だ」と思っている人でも、呼気中のアルコール濃度が基準値を超えた時点で、飲酒運転に該当します。飲酒運転は、重大な交通違反であり、罰則は運転者だけでなく、同乗者や車両提供者までにおよびます。
自分の基準で判断するのではなく、
「お酒は強いけれども数値がわからないから運転はやめておこう」
「周りの車や歩行者の安全を守るために、飲酒運転は絶対にしてはいけない」
という気持ちで、「飲んだら乗らない」を徹底しましょう。









