スマドリとは「スマートドリンキング」の略|注目されている理由と企業が推奨するメリット

近年、テレビCMやSNS、飲食店などで「スマドリ」という言葉を目にする機会が増えてきました。

「お酒の席をもっと自由に楽しもう」というニュアンスは伝わるものの、具体的にどのような意味があり、なぜこれほどまでに注目されているのか気になる方も多いのではないでしょうか。

スマドリとは、スマートドリンキングの略称で、「飲む人も飲まない人もみんなが楽しめる、体質や気分に合わせた自由な飲み方」を意味します。

本記事では、「スマドリ」という考え方が誕生した背景や、なぜ今注目されているのか、企業が推進するメリット、実際にスマドリを体験できるサービスや商品について紹介します。

参考:【スマドリ】スマートドリンキング |アサヒビール

1. スマドリ(スマートドリンキング)とは?意味と目的を解説

スマドリは、アサヒビールが提唱している「お酒の席で幅広い選択肢を認め合う考え方」です。

スマドリとは?

【スマドリって何ですか?】

お酒を飲みたい時や飲めない時、そしてあえて飲まない時、飲む人も飲まない人も、ひとりひとりが、自分の体質や気分、シーンに合わせて、適切なお酒やノンアルコールドリンクをスマートに選択できる飲み方を指す「スマートドリンキング」の略です。

参考:スマドリって何ですか?|アサヒビール

多様性を重視する社会の変化とともに、多くの企業や若年層から支持を集めています。

まずは本章で、スマドリの意味や誕生した背景を整理し、新しい飲酒文化のあり方について理解を深めましょう。

1-1 スマドリとはアサヒビールが提唱する「飲み方の多様性」

先にもお伝えしたとおり、「スマドリ」は、アサヒビールが提唱する「スマートドリンキング」の略称で、“飲み方の多様性”を尊重する新しい飲み方であり、新しい考え方です。

従来の日本の飲み会では、「とりあえずビールで乾杯」といった同調圧力が少なからずありました。

しかし、スマドリは「飲み方の多様性」を尊重し、度数の高いお酒から、微アルコールやノンアルコールまで幅広い選択肢を用意し、誰もが気兼ねなくその場を楽しめる環境づくりを推奨しています。

1-2 「ソバーキュリアス(あえてお酒を飲まない選択)」との違い

ソバーキュリアスとは「Sober(しらふ)」と「Curious(好奇心旺盛)」を組み合わせた造語で、「あえてお酒を飲まないライフスタイル」を指す言葉です。

スマドリのように、健康や自由を意識した飲み方を意味しますが、整理すると以下のような違いがあります。

【スマドリとソバーキュリアスの違い】
  スマドリ ソバーキュリアス
主な意味 「飲む」「飲まない」「微アル」「ノンアル」を含めた選択の多様性 あえて「お酒を飲まない」というライフスタイル
対象者 お酒が好きな人から、まったく飲めない人まで全員 お酒を飲めるが、健康などのために控える人
目的 違いを尊重し、快適な飲酒環境を作ること 身体的・精神的な健康や充実感を得ること

スマドリは「飲む」「飲まない」の二択ではなく、その日の体調や気分に応じて、微アルやノンアルなどの「自分に合う一杯」を選ぶ考え方です。

つまり、ソバーキュリアスは「飲まない」に重点を置いた考え方ですが、スマドリは、それぞれのベストな飲み方を選べる環境づくりに重点がある点が、大きな違いと言えるでしょう。

参考 :「とりあえずビール」は古い。「スマドリ」を覚えてほしい。 |株式会社カインズ

2. なぜ「スマドリ」が注目されているの?

スマドリが広がっている背景には、若い世代のアルコール離れや健康意識の高まり、企業のコンプライアンス強化の観点から、飲み会文化が変化している流れがあります。

本章では、社会の価値観の変化とともに、なぜ今、スマドリが必要とされているのか、3つの理由を解説します。

なぜ「スマドリ」が注目されているのか?

2-1 若年層を中心とした「アルコール離れ」

若い世代を中心に、「無理して飲まない」「そもそもお酒に酔うことを目的としない」という価値観が広がっています。

仕事終わりの一杯よりも、睡眠や趣味、推し活など自分の時間を優先する傾向が強まり、お酒を飲まなくても楽しめるコミュニティが形成されつつあります。

スマドリは、こうした「酔うことよりも、その場の体験や時間を大切にする」という若者の感性にマッチした考え方といえるでしょう。

POINT

「華金 = お酒を飲む」「飲む=付き合いが良い」といった価値観は、少しずつ薄れつつあります。

2-2 健康意識の高まりと「微アル」需要の拡大

健康診断の結果を気にする世代からも、スマドリは支持されています。

近年では、アルコール度数が0.5%や0.7%といった、従来のノンアルコールとは異なる「微アルコール(微アル)」飲料が登場しました。

「お酒の風味は楽しみたいが、翌日の仕事に響かせたくない」「健康のためにアルコール摂取量をコントロールしたい」という層にとって、スマドリは合理的な選択肢のひとつと言えます。

「健康も楽しさも両立したい」という人たちを後押しする考え方だといえるでしょう。

関連記事:
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アルコールは筋肉を分解する?筋トレ後の飲酒を楽しむための3つの対策|飲酒とトレーニングの関係

2-3 コンプライアンスとアルハラ防止のため

企業におけるコンプライアンスの徹底も、スマドリ普及の大きな要因です。

一昔前のような「お酒の場での無理強い」や「イッキ飲み」は、重大なアルコール・ハラスメント(アルハラ)とみなされます。

スマドリが広まることで、「飲まない選択」が自然に受け入れられ、ハラスメントのリスクを減らす安全な職場環境づくりが可能になりました。

3. 企業が「スマドリ」を推進するメリットとは?

スマドリは、個人だけでなく、組織づくりやブランディングにも影響すると考えられています。

本章では、組織としてスマドリを推奨することで、どのようなメリットがあるのか解説します。

3-1 社内コミュニケーションの活性化と心理的安全性の確保

「お酒が飲めないから社内の飲み会が苦手」「翌日の業務に影響があるから飲みたくない」と感じていた従業員にとって、スマドリが浸透した職場は非常に居心地の良いものになります。

アルコールの有無に関わらず、誰もが等しく楽しめる環境は、「心理的安全性」を高めることにつながります。

【心理的安全性とは?】

心理的安全性とは、ミスや意見を理由に非難・不利益を受けないと感じ、安心して発言・相談できる状態です。厚生労働省も職場環境づくりの重要要素として、ハラスメント防止やメンタルヘルス対策とあわせて重視しています。

スマドリが浸透することで、部署や年齢を超えたコミュニケーションが活性化し、チームの結束力が強まる効果が期待できます。

参考:良質な「働く」を広げる(PDF)|厚生労働省

3-2 SDGs・企業価値の向上

スマドリの推進は、SDGs(持続可能な開発目標)の目標3「すべての人に健康と福祉を」や、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」などの理念にも合致した取り組みです。

採用や広報の場でスマドリの取り組みを紹介することで、「従業員を大切にする会社」という企業イメージの向上も期待できるでしょう。

また、アルコールに頼らない交流の場づくりは、働き方改革とも親和性が高く、離職防止や企業価値の向上にもつながります。

参考:SDGs17の目標 |日本ユニセフ協会

4. スマドリを体験できるサービス・商品

スマドリは、実際に体験できる場や商品としても広がりつつあります。

ここでは、スマドリの世界観を体験できるバーや、日常の晩酌に取り入れやすい微アルやノンアル商品、キャンペーン企画など、さまざまなサービスを紹介します。

4-1 SUMADORI-BAR SHIBUYA(スマドリバー渋谷)

アサヒビールは、2022年6月に、渋谷センター街に「スマドリ」をコンセプトとした初のバー「SUMADORI-BAR SHIBUYA(スマドリバー渋谷)」をオープンしました。

スマドリバーでは、ドリンクのアルコール度数を「0.0%」「0.5%」「3.0%」などから自分の好みに合わせて選べるのが特徴です。

お酒が強い人もまったく飲めない人も、同じようにおしゃれなカクテルやドリンクを楽しみながら、1つのテーブルを囲むことができます。

2025年12月28日付で営業を終了しており、2026年春には表参道に場所を移し、スマドリの考え方を知るためのコンテンツや、体質に関する情報発信が引き続き行われる予定です。

参考:SUMADORI-BAR SHIBUYA|アサヒビール

4-2 「微アル」飲料「ビアリー(BEERY)」

スマドリ文化を象徴するヒット商品が、アサヒビールの「ビアリー(BEERY)」です。

アルコール度数0.5%で、独自の製法により、ビールらしい本格的な味わいと香りを残しつつ、酔いすぎない絶妙なバランスが評価されています。

※一部商品の取り扱いが終了・縮小しているケースもありますが、ブランド全体の販売状況については最新の公式情報を確認してください。

「お酒は好きだが、平日の夜は控えたい」「趣味の時間も大切にしたい」という層から絶大な支持を得ています。

平日の晩酌やランチタイム、昼飲みなど、アルコールを少し控えめに楽しみたい時でも、「飲んだ満足感」を得やすいのが特徴です。

参考:アサヒビアリー|アサヒビール

4-3 期間限定イベント「みんなのスマドリガチャ」

「みんなのスマドリガチャ」は、2025年7月に渋谷スクランブルスクエアで開催された期間限定のキャンペーン企画でした。

ガチャを回すと、よしもと芸人の顔写真と「スマドリ」に関するメッセージを描いた「スマドリガチャ限定ステッカー」が出てきます。

ガチャを体験した方には、「アサヒゼロ」や「スタイルバランス」など6種類のノンアルコール飲料の中から1本が提供されます。

ゲーム感覚で体験できるため、スマドリを知らない人にも親しみやすく、仲間同士で飲み方の価値観を共有する場としても活用されました。

参考:期間限定イベント「みんなのスマドリガチャ」7月25日から28日まで渋谷スクランブルスクエアで開催|アサヒビール

5. 体質検査で自分のアルコール耐性を知ろう

スマドリを実践する上で大切なのは「自分の体質を知ること」です。

自分がアルコールを分解しやすい体質なのか、それともアセトアルデヒドによるダメージを受けやすい体質なのかを知ることで、自分にとっての本当の「スマートな飲み方」が見えてきます。

【アセトアルデヒドとは?】

アルコールが肝臓で分解される途中で生じる有害な毒性物質です。顔の紅潮、吐き気、動悸、二日酔いの原因のひとつで、発がん性も指摘されています。

最近では、自宅で簡単にできる「アルコール体質検査キット」も利用できるようになっています。

結果をもとに、「ビールは1日1杯まで」「平日は微アル中心」など、自分に合ったスマートドリンキングのルールを決めておくと安心です。

遺伝子レベルで自分の耐性を把握しておくことは、将来的な健康リスクを抑えるだけでなく、飲み会の席での自信(無理をしない勇気)にもつながるでしょう。

以下の関連記事では、実際にアルコール体質検査キットを使用した体験談を掲載していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事:『【体験談】アルコール体質検査を体験|適切な飲酒量を把握して上手に付き合おう

6.【Q&A】スマドリに関するよくある質問

「スマドリって結局どういう意味?」「アルコール度数に決まりはあるの?」など、スマドリに関する疑問は少なくありません。

そこで本章では、スマドリに関するよくある質問にQ&A形式で解説します。

初めて聞いた方はもちろん、社内での推進を検討している担当者の方も、基本的なポイントを一度おさらいしてみてください。

「スマドリ」は何の略?

「スマドリ」は「スマートドリンキング(Smart Drinking)」の略称です。

賢く、自分らしく、周囲と調和しながらお酒を楽しむスタイルを意味しています。

「飲む」「飲まない」の選択肢だけでなく、体調や体質、明日の予定を考えた上で、「飲む」「微アル」「ノンアル」「飲まない」など、自由に選べる環境作りを提唱しています。

「スマドリ」は誰が言いだしたの?

スマドリは、アサヒビール株式会社が2020年12月に発表した「スマートドリンキング」宣言から生まれた考え方です。

ビールメーカーとして「たくさん飲んでもらう」のではなく、「その人にとってちょうど良い飲み方を応援する」方向に舵を切った点が大きな特徴です。

ビアリーやスマドリバー、テレビCMなどを通じて、「飲む人も飲まない人も一緒に楽しめる社会」を目指すキーワードとして広がりつつあります。

現在は、多くの飲食店や一般消費者にもその理念が広まり、共通のキーワードとして定着しつつあります。

スマドリのアルコール度数の目安は?

「アルコール度数◯%以下がスマドリ」という基準はありません。

ノンアルコール飲料でまったくアルコールを含まない選択もできれば、0.5%前後の微アル、通常のビールなど、その人の体質や後の予定に応じて、自由に飲み物を選択できます。

大切なのは、「今日はこれくらいにしておこう」「明日は朝早いからノンアルにしよう」と、自分でアルコール量をコントロールする意識です。

度数ではなく「自分にとって無理のない範囲かどうか」を基準にするのがスマドリの考え方です。

スマドリは流行ってる?認知度は?

スマドリは、都市部や若年層を中心に、認知が広がりつつあります。

アサヒビールの調査によると、認知率は2024年で50%、当初の目標の「2025年までに40%」を達成したことから、2025年は60%を目標に掲げていました。

まだすべての世代に浸透しているわけではありませんが、メディアや企業のキャンペーン、バーや飲食店の取り組みを通じて、少しずつ認知が広がっている段階です。

2025年以降も、健康志向の高まりやハラスメント防止の観点から、企業の公式行事や飲み会でも、ノンアルや微アルを充実させた「スマドリ形式」を採用するケースが増えています。

今後は、健康志向や多様性の尊重とともに、スマドリもさらに普及していくと考えられます。

7. まとめ|スマドリで「お酒の壁」がない新しいコミュニケーションを

本記事では、「スマドリ」という考え方が誕生した背景や、なぜ今注目されているのか、企業が推進するメリットや実際にスマドリを体験できるサービス・商品について紹介しました。

スマドリは、「お酒を飲む・飲まない」で人を分けるのではなく、一人ひとりの体質や価値観を尊重しながら、同じテーブルを囲めるようにするための考え方です。

微アルやノンアルを自由に選べるからこそ、自分の体調や体質、翌日の予定に合わせて、アルコールの量や度数を主体的に選択できます。

企業にとっても、スマドリはアルハラ防止や心理的安全性の向上、健康経営の推進につながる重要な取り組みです。

お酒の席を全員が安心して楽しめるように、スマドリを意識した飲み方を実践していきましょう。

株式会社パイ・アール ロゴ

この記事の執筆者

株式会社パイ・アールPAI-R Co., Ltd.

安心・安全な交通社会の実現へ向けてさまざまな課題や解決を探求している 株式会社パイ・アール は、アルコールチェックをはじめドライバーの安全管理や業務管理にまつわるさまざまなお役立ち情報を発信しています。

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