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【2024年6月】ライドシェアとは?カーシェアとの違いやメリット・デメリットを解説

2024年4月から一般のドライバーが自家用車で人を有償で送迎する「ライドシェア」のサービスがスタートしました。ニュースでもよく耳にするワードだと思いますが内容についてご存知でしょうか。

本記事では以下について解説していきます。

  • 「ライドシェア」と「カーシェア」の違い
  • ライドシェアのメリットやデメリット
  • ライドシェアのおすすめアプリ3選
  • 最新のライドシェアの動向

話題の「ライドシェア」について正しく理解していきましょう。

また、最新のライドシェアに関するニュースを以下のページにまとめています。こちらもぜひご覧ください。

関連記事:『ライドシェアに関する最新情報

1.ライドシェア(ライドシェアリング)とは?

ライドシェア(ライドシェアリング)とは、主に自動車を相乗りすることを指します。車の空いた座席を活用し、相乗りでガソリン代などを負担し合うことで交通費を削減することができます。そのため欧米では安価な交通手段として浸透しています。

近年はインターネットの発達により「Uber」や「Lyft」など自家用車を利用した配車サービスが人気となっています。CO2の削減などの観点からもシェアリングエコノミーの一例として注目を集めています。

2.ライドシェアとカーシェアは何が違うの?

ライドシェアと似たものに「カーシェア」があります。
カーシェアは空いている車と車を利用したい人をマッチングさせるサービスです。

「カーシェア」と「ライドシェア」の主な違いとしては目的と車両の所有者が異なります。

目的の違いとしてカーシェアは車の貸し出しが目的です。それに対してライドシェアは相乗りが目的になっており、ドライバーと乗車したい人をマッチングさせるサービスです。

所有者という視点では、カーシェアは車両の貸し出しを行うのが事業者なのに対し、ライドシェアでは個人の車両に相乗りして移動するサービスとなっており、運転をするかしないかという点でも大きく違いがあります。

ライドシェアだけを切り取っても3種類に分類することができるので次の章で詳しく解説していきます。

3.ライドシェアには3つの種類がある

ライドシェアにはドライバーが有償と無償のものがあり、3つの種類に分けられます。

  • ・国土交通省によるタクシーの「相乗りサービス」
  • ・カープール(相乗り)型
  • ・TNC(Transportation Network Company)サービス型

それぞれ見ていきましょう。

国土交通省によるタクシーの「相乗りサービス」

タクシーの「相乗りサービス」とは、配車アプリなどで目的地の近い旅客同士を運送開始前にマッチングし、タクシーに相乗りさせて運送するサービス(バスとは異なるタクシー独自の運送形態)です。

利用者がタクシーに相乗りすることで割安で目的地に移動できるよう、「相乗りサービス」について運賃の按分等に関する一定のルールを定めた新たな制度を導入しています。

「相乗りサービス」を提供することで利用者の利便性の向上を図り、タクシー事業者にとっても新たなタクシー需要を喚起することが期待されます。

参考:国土交通省「新たにタクシーの「相乗りサービス」制度を導入します!

カープール(相乗り)型

カープール型は目的地が同じ一般ドライバーと乗客が相乗りするライドシェアです。
ドライバーは利用者からガソリン代や高速道路代、駐車場代などの実費程度を受け取ることはできますが、基本的に報酬を得ることはできません。費用は、移動にかかったガソリン代や高速代などの交通費を車に乗っている人で割り勘します。割り勘しているためドライバーが利益を得られない仕組みになっています。

ヨーロッパでは「BlaBlaCar(ブラブラカー)」というライドシェアサービスが有名で、欧米で広く普及しています。

TNC(Transportation Network Company)サービス型

TNCサービスは登録されたドライバーが自家用車を使用し、有償で利用者を送迎する配車サービスです。
スマートフォンのアプリなどでドライバーと利用者をマッチングし、乗車から決済までを行うもので、その使い勝手の良さから利用者は世界的に急増しています。

TNCサービス事業者は仲介手数料によって収益を得るというビジネスモデルをとっています。サービス事業者には「Uber」や「DiDi」、「Lyft」などが有名で、米国などで普及しています。

前述のカープール型と違い事業としての側面が大きく、ドライバーは収入を得ることが目的にあります。

4.日本でライドシェアが普及するメリット3選

日本では有料で利用者を送迎するライドシェア(TCNサービス)は白タクとみなされます。日本で白タクは原則禁止されていることもあり、多くの不安や心配の声も聞こえてきます。その反面、ライドシェアには以下のようなメリットもあります。

  • ・タクシーと比較すると料金が安く済む可能性がある
  • ・自家用車を活用して仕事ができる
  • ・タクシー不足が解消され移動がスムーズになる

上記3つを解説していきます。

ライドシェアのメリットについて、詳しく解説している記事もありますので関連記事もあわせてご覧ください。

関連記事:『ライドシェアリングの5つの問題点とは?日本における白タクとの違いや今後の課題

①タクシーと比較すると料金が安く済む可能性がある

目的地が近い人同士で相乗りしますので、ガソリン代などの交通費は全員で割り勘することになります。
1人でタクシーに乗るよりも支払い料金は安くなる可能性があります。
※2024年4月に新たに日本で始まった日本版ライドシェアにおいては、運賃は通常のタクシーと同等です。

海外のライドシェアでは需要に応じて変動する「サージ価格」が適用され、需要がピークになった時間帯に自動的に価格が上昇し供給を確保できるようになっています。
海外では一般的にタクシーより運賃が安くなっており、自家用車を活用できることからタクシーより運行コストを抑えられることを考えると、今後運賃はタクシーより安くなっていくかもしれませんね。

関連記事:『ライドシェアの料金はタクシーと同じ?支払い方法や地域ごとの違いについて解説

②自家用車を活用して仕事ができる

自家用車を保有しているが乗る頻度が低く、維持費がかさんでいる方も多いと思います。
ライドシェアは保有している車を使って手軽に働ける点も大きな特徴です。収入を得ることができるため、維持コストの軽減にも繋がります。

③タクシー不足が解消され移動がスムーズになる

近年ドライバー不足によってタクシーが不足している問題が起きています。
とくに過疎地ではコロナ禍前よりもタクシー会社の撤退が増えています。

それに対し現在は外国人観光客の急増により、観光地でもドライバー不足が問題となっています。ライドシェアが始まれば、タクシー不足を補う意味でも期待できるのではないでしょうか。

5.ライドシェアのデメリット(問題点)3選

ライドシェアのデメリットは、簡単に言うと「タクシーとの差」です。タクシーは会社が個人に提供するサービスですが、ライドシェアはサービスプラットフォーム上で、個人が個人に提供するサービスです。

したがってさまざまな問題が発生することが懸念されます。問題点について以下の3つを紹介します。

  • 車内での事件が懸念されている
  • 飲酒運転への対策が必要
  • ライドシェアの質が安定しない

以下の記事でライドシェアの問題についてさらに深掘りしています。あわせて参考にしてください。
関連記事:『ライドシェアにおける安全運転への課題|アルコールチェックの重要性

①車内での事件が懸念されている

ライドシェアの1つ目の問題点は、ドライバーも乗客も加害者になりうる可能性があります。
実際にライドシェアが普及している国では、すでにライドシェアの運転手による乗客への暴行や誘拐といった犯罪が発生しています。

また酔っ払いの乗客などによる暴言や暴行、車内での嘔吐や車を傷つけられる可能性もあり、乗客が加害者になる可能性もあります。車内という密室空間になるため、ドライバーは車内撮影用にドライブレコーダーの搭載をすることも必要だと考えられます。

②飲酒運転への対策が必要

ライドシェアの2つ目の問題点は、タクシーは運行管理者によってドライバーの体調確認、車両点検、酒気帯び確認が義務付けられていますが、ライドシェアでは一般のドライバーが自家用車で乗客を乗せるため、そのようなチェック体制がとられていません。

そのためドライバーが飲酒運転をしていても、乗客は気づかないかもしれません。
乗客の安全はもちろんですが、歩行者や他の車両などに危険をもたらし重大な事故に繋がる恐れがあります。

③ライドシェアの質が安定しない

ライドシェアの3つ目の問題点は、ライドシェアの反対意見として多く挙げられる運転の質や安全性が担保されていないという点です。ライドシェアは運転免許証があれば誰でも始められる手軽さがある一方で、ドライバーによって運転技術に差があり不安に感じている人が多いです。

6.おすすめのライドシェアアプリ3選

ライドシェアを実際に利用する場合には配車アプリが必須です。では、どのようなアプリを使用すれば良いのでしょうか?
おすすめアプリをいくつかご紹介します。

GO

GO株式会社が運営する日本最大手のタクシー配車アプリで、現在は35都道府県で展開されています。乗車地および降車地を指定の上、支払方法として「GO Pay」を選択すると日本版ライドシェアも対象となります。希望によってはタクシーに絞って配車依頼をすることも可能です。

参考:GO(https://go.goinc.jp/

Uber

米国最大手のUber Technologiesの日本法人、ウーバージャパンが運営するタクシー配車アプリ。利用者がアプリで行先を指定するとタクシーか日本版ライドシェアかを選択できます。
海外では需給に応じて運賃が設定されるダイナミックプライシング(変動価格制)が採用されていますが、日本ではタクシー料金と同等となっています。

参考:Uber(https://www.uber.com/jp/ja/ride/

S.RIDE®

S.RIDE株式会社が運営するタクシー配車アプリで主に都市圏を中心に展開されています。アプリを開いて右にスライドするだけで、タクシー配車ができるという手軽さが特徴的です。
配車依頼時にライドシェアを「含む」に設定した場合、タクシーかライドシェア車両のいずれかが迎えにきます。

参考:S.RIDE(https://www.sride.jp/jp/

 

上記以外にも以下の関連記事でライドシェアにおすすめのアプリを10選紹介しています。ぜひ参考にしてください。

関連記事:『国内外で利用可能なライドシェアアプリ10選|最新情報を徹底解説

7.ライドシェアの最新の動向は?

2024年4月からライドシェアが始まることを受け、各所で動きが活発になっています。

国土交通省は3月13日にタクシーが不足している地域・時期・時間帯・不足車両数といったデータを公表しました。

今回は4営業区域(特別区、武三交通圏・京浜交通圏・名古屋交通圏・京都市域交通圏)にて2024年4月からタクシー会社の運行管理のもと、指定の曜日・時間帯でライドシェアが解禁されます。

参考記事:NHKニュース「「ライドシェア」東京 神奈川 愛知 京都の一部地域で来月開始

「Uber Japan」日本では初の自治体と協同提供の運送サービスがスタート

3月12日石川県加賀市とUber Japanは包括連携協定を交わし、加賀市版ライドシェアの本格運用を開始しました。一般社団法人加賀市観光交流機構を実施主体にUber Japanがアプリを提供し、地域のタクシー事業者である加賀第一交通が運行管理をおこないます。対象エリアは市内全域で、運賃は南加賀交通圏タクシー料金の8割となります。

以下の記事で、最新のライドシェアに関するニュースを随時更新しています。ぜひ確認してください。

関連記事:『ライドシェアに関する最新情報

海外のライドシェアの動向や市場規模は?

海外では日本よりいち早く、ライドシェアが拡大しています。2010年にUberやLyftなどのサービスが現れ、急激に市場を拡大させました。

2017年時点での調査では、ライドシェアの市場規模は当時の360億ドルから、2030年までに2850億ドル(世界のタクシー市場の約3倍)に成長し、ユーザーの割合は全人口の13%に迫るとの試算も出されております。

世界的なライドシェアの市場規模予測のグラフ

引用元:Uber Japan 株式会社|規制改革推進会議「第1回 地域産業活性化ワーキング・グループ」提出資料「世界的なライドシェアの市場規模予測

上記の成長の要因は、タクシーよりも安く質がよいことが言われています。

海外では一部のドライバーが観光客に対して法外な手数料を要求するなどの事例が発生し、サービスの質の低下が問題となっていました。

このような日本とは違う背景から、ライドシェアが導入されると、スマートフォンアプリによる正確な需給のマッチング、アプリで行き先や所要時間、料金が表示されるので言語が通じない時でも利便性が高く評価されサービスが拡大しました。

パイ・アールが考える今後のライドシェアについて

タクシー業界では今年は変革の年だと言われています。カーシェアが広まったように、ライドシェアの拡大も大いに考えられると思います。とくに観光地では円安も追い風にインバウンド需要が急回復し、コロナ感染前を上回っています。観光客の急増を受け、ドライバー不足がタクシー会社で発生しています。

こういった状況の救世主になる可能性を秘めているのがライドシェアです。多くの潜在的なドライバーが眠っていると考えられるので、観光業にもタクシー業界にも追い風になる可能性は大いにあります。

ただ、多くの方がライドシェアのドライバーになることができる反面、そのドライバーの管理やアルコールチェックが大きな課題になってくることも考えられます。日本では一般のドライバーに向けたアルコールチェックを義務付ける法令もなく、アルコールチェッカーを用いてのアルコールチェックが浸透しているとは言い難い状況です。

そのため今後は、ライドシェアのドライバーに対してもアルコールチェックの厳格化や罰則の強化が考えられます。昨年の12月より白ナンバーの企業でもアルコールチェックが義務化されたこともあり、アルコールチェックをすることの重要性を1人1人が理解し実践していくことが大事になってきます。

運転する人と利用する人が今まで以上に増加し、管理や業務体系などの課題はまだまだ多くあります。
海外ではいち早くライドシェアが普及していることもありますので、現状で見えている問題点や今後見えてくる課題の解決に向けて、パイ・アールでは少しでも皆さまが使いやすくなるサービス提供をしていきます。

8.ライドシェアリングについてまとめ

本記事では「ライドシェア」について話してきました。
よく聞くワードですが、内容を知らない方も多かったのではないでしょうか。

先述したとおり、カーシェアが日本で拡がったようにライドシェアが日本で急拡大する可能性も大いにあり、今年はタクシー業界では変革の年と言われています。

ライドシェアが解禁されることで、日本でも大きな変化が起きることが考えられます。また、ライドシェアが始まると運転する人が必然的に増えてきます。その中で飲酒運転をしない、させないこともさらに重要になってきます。今後のライドシェアの動きにも注目しましょう。

株式会社パイ・アール ロゴ

この記事の執筆者

株式会社パイ・アールPAI-R Co., Ltd.

安心・安全な交通社会の実現へ向けてさまざまな課題や解決を探求し、アルコールチェックをはじめドライバーの安全管理や業務管理にまつわるさまざまなお役立ち情報を発信しています。

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