車の位置情報をGPSで把握できるおすすめ追跡サービス(アプリ)7選|選び方のポイントも紹介

車の位置情報をリアルタイムで把握できるGPS追跡サービスは、法人・個人を問わず利用されています。
用途はさまざまで、車の盗難対策や家族の見守り、事業用車両の管理などに活用されており、GPS機能が付帯したアルコールチェッカーやドライブレコーダーも登場しています。
ただし、GPSの機能や性能は、使用するデバイスや環境によって大きく異なるため、利用環境に適したシステムを選択することが重要です。
そこで本記事では、GPS追跡サービスの基本機能や一般的な追跡アプリとの違い、メリット・デメリット、導入時に押さえておきたい選び方のポイントをわかりやすく解説します。
さらに、費用相場や信頼性の高いおすすめGPS追跡サービス(アプリ)7選も紹介します。
導入や買い替えを検討している事業者の方や機器選びに疑問がある方は、ぜひ参考にしてください。
目次 / この記事でわかること
1. GPSで車の位置情報を把握できる「追跡サービス」とは
車両の位置情報をリアルタイムで把握できるGPSの「追跡サービス」は、業務車両の運行管理や盗難対策、家族の見守りなど、幅広い用途で利用されています。
近年では、スマートフォンアプリを使った手軽な追跡サービスも普及しており、使いやすさや目的に合わせた選択が可能です。
では、GPS追跡サービスはどのような仕組みで動作しており、追跡アプリとは何が違うのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
GPS追跡サービスの仕組み
そもそもGPSとは、地球を周回する複数の人工衛星から電波を受信し、位置情報を高精度で特定する技術のことです。
GPSは「Global Positioning System(グローバル・ポジショニング・システム)」の略称であり、日本語では「全地球測位システム」と言います。
また、スマートフォンの地図アプリやカーナビ、ゲームアプリだけでなく、自動運転、ドローン、物流、防災、監視など幅広い分野で活用されています。
次に、「GPS追跡サービス」とは、GPSを用いて車両の位置情報を取得するサービスで、主に法人向けのサービスとして活用されています。
GPS追跡サービスは単体で使われることは少なく、「車両管理」や「走行管理」といったシステムの一要素として活用されるケースが一般的です。
GPSによって取得されたデータは、モバイル通信やWi-Fiなどを介してクラウドサーバーに送信され、専用システムなどを通じて管理者が確認できます。
車両の位置情報、走行履歴、速度など、リアルタイムでの車両情報の把握が可能となり、業務効率の向上や、燃料消費の削減に役立ちます。
追跡サービスと追跡アプリの違い
GPS追跡サービスと一般的な追跡アプリは、どちらも位置情報を利用しますが、提供方法や目的が異なります。
また、GPS追跡サービスは、主に企業が車両の位置情報をリアルタイムで把握するために利用されることが多く、専用のハードウェアやソフトウェアが必要です。
高度な管理システムで、燃費やアイドリングなどの情報を自動でレポート作成できる機能も備わっています。
一方、追跡アプリは、個人がスマートフォンにインストールし、自分の位置情報や家族、友人の位置情報を共有する利用方法が一般的です。
スマートフォンのGPS機能を利用した手軽な方法で、家族の見守りや災害時の安否確認、待ち合わせ場所の共有などに利用できます。
法人で利用する場合は、不動産や訪問介護など、少数の車両管理に適しています。
必ずしも追跡サービスが最適とは限らず、目的や求める機能に応じて適切に使い分けることが重要です。
2. 車両用GPS追跡サービス(アプリ)の3つのメリット
車両用GPS追跡サービスは、車両の位置情報をリアルタイムで把握できるだけでなく、業務の効率化や安全対策、コスト管理など、さまざまな面で企業の運行管理をサポートします。
特に複数台の車両を運用する企業にとって、ドライバーや管理者の業務負担を軽減し、運行品質の向上にも役立ちます。
本章では、導入によって得られる3つの代表的なメリットについて詳しく解説します。
メリット①:業務を効率化できる
追跡サービスを活用することで、ムダのない配車やルート変更の判断がスムーズになります。
車両の位置情報や走行ルートをリアルタイムで確認できるため、取引先からの突発的な依頼があった場合や、災害、渋滞、事故などの緊急時も柔軟に対応できます。
ドライバーに逐一位置情報を電話確認する手間がなくなり、紙ベースの報告も不要になるため、業務全体のスピードアップが可能です。
メリット②:安全管理を徹底できる
追跡サービスの導入により、車両の走行履歴や速度、急ブレーキなどの運転情報が可視化されるため、安全運転の徹底や教育に活用できます。
ドライバーごとの運転傾向を把握し、注意喚起や安全運転教育に活用することで、事故リスクの低減にも効果的です。
また、事故や災害などの緊急時にも迅速な対応が可能となり、ドライバーの安全を確保できます。
メリット③:コスト削減ができる
遠回りやムダなアイドリングなどの非効率な運転を減らすことができ、燃料費の削減が期待できます。
さらに、運行記録をデータとして残せるため、労務管理や報告書作成の手間も削減され、印刷用紙やインク代なども削減できます。
また、走行データをもとに、車両の過負荷や長時間稼働などの兆候をつかめるため、事故やトラブルの予防による修理費や保険料を最適化できるメリットも魅力です。
経費削減と業務改善を両立できるため、あらゆるケースでコストカットを実現できます。
3. 車両用GPS追跡サービス(アプリ)の2つのデメリット
GPS追跡サービスは、車両の管理や安全対策に役立つ便利なツールですが、導入前に把握しておくべきポイントがあります。
本章では、車両用GPS追跡サービスを導入するうえで知っておきたい代表的な2つのデメリットについて解説します。
デメリット①:ドライバーが心理的ストレスを感じる可能性がある
追跡サービスは、管理者が車両の位置情報や走行状況を把握できる一方、ドライバーが「常に監視されている」と感じる場合があります。
ドライバーの業務へのモチベーションや信頼関係に悪影響を及ぼす可能性もあるため、導入にあたっては、導入目的を丁寧に説明し、業務改善や安全確保のためであることを共有することが大切です。
デメリット②:導入費用がかかる
車両用GPS追跡サービスは、専用端末の購入費や設置工事費が発生する場合があり、高機能なクラウド型サービスでは、月額数千円のランニングコストがかかります。
失敗しないためには、予算とのバランスを見ながら、必要な機能に絞って導入することがポイントです。
また、無料や低コストで使えるアプリ型のサービスを試しに使ってみるのもひとつの方法です。
使用しているイメージが具体的になれば、自社に合ったサービスを選択できるようになるでしょう。
4. 車両用GPS追跡サービス(アプリ)の費用相場
追跡サービスの費用は、導入形態や機能の充実度によって大きく異なります。
一般的に、専用端末を使うタイプでは初期費用として1台あたり1万〜3万円程度、月額利用料は1,000円〜3,000円程度が相場です。
スマートフォンアプリを使った簡易型のサービスであれば、初期費用が無料なものや、月額500円〜1,500円程度で利用できるサービスがあります。
サービス形態 | 初期費用の相場 | 月額費用の相場 | 特徴 |
---|---|---|---|
スマホアプリ型 | 0円〜 | 500円〜1,500円/台(人) | アプリのインストールのみで利用可能。機能は限定的。 |
専用GPS端末型 | 1万円〜3万円程度 | 1,000円〜3,000円/台(人) | 走行履歴やリアルタイム追跡が可能。法人でも導入しやすい。 |
高機能クラウド型 | 3〜15万円程度 | 5,000円〜10,000円/台(人) | 車両に関する詳細なレポート出力、複数台の一括管理、API連携 ※1 など。 |
※1 API連携とは、異なるシステムやアプリケーション間でデータや機能を共有し、連携させる仕組みのことです。システム間の連携がスムーズになり、業務効率の向上や新しい機能の追加が可能になります。
表の費用相場は、あくまでも目安であるため、利用を検討している特定の追跡サービスがある場合は、企業に問い合わせることをおすすめします。
無料または低コストのサービスには魅力もありますが、低コストを重視しすぎると、必要な機能が備わっていないケースもあり、結果として業務改善や安全確保につながらない場合があります。
導入の際は、コスト面だけでなく、自社に必要な機能が備わっているかどうかも含めて総合的に判断することが大切です。
5. 車両用GPS追跡サービス(アプリ)選びの5つのポイント
車両のGPS追跡サービスを導入する際は、コストだけで判断するのではなく、自社の利用目的や管理体制に適したサービスを選ぶことが重要です。
特に、位置情報の精度や必要な機能の有無、操作のしやすさなどを総合的にチェックする必要があります。
本章では、失敗しない追跡サービスを選ぶための5つのポイントを紹介します。
ポイント①:GPSの精度は高いか
GPS追跡サービスを選ぶ上で、位置情報の精度は重要なポイントです。
誤差が大きいと、車両の実際の位置と表示にズレが生じ、正確な管理や迅速な対応が難しくなります。
特に、都市部やビル街、山間部などの高速道路では精度の違いが顕著に出るため、導入前にレビューや実績などから性能を確認しておくことが大切です。
ポイント②:リアルタイム追跡ができるか
リアルタイム追跡が可能かどうかも、業務効率化を目指す上で重要なポイントです。
数分単位で更新されるものと、ほぼ即時に現在地を確認できるものとでは、緊急時の対応力に大きな差が出ます。
配車業務や配送の進捗管理など、時間にシビアな運用には、迅速で柔軟な対応が求められるため、導入前に更新頻度や遅延の有無を確認しましょう。
ポイント③:用途に適した機能があるか
車両の追跡だけでなく、走行履歴の記録、運転傾向の分析など、用途に合った機能が搭載されているかどうかも確認が必要です。
また、車両用のGPS追跡サービスは、営業車や配送トラックなどで必要な機能が異なります。
高機能すぎても使いこなせない場合があるため、業種や利用目的に応じて、「ちょうどいい機能」がそろっているかを見極めましょう。
ポイント④:付帯機能を活用できるか
GPS追跡サービスには、位置情報の追跡機能だけでなく、運転日報の自動作成や燃費管理、エンジン状態の監視など、業務効率を高める機能が搭載されている場合があります。
また、アルコールチェッカーとスマホアプリを連携させることで、スマホのGPS機能を利用し、アルコールチェックの実施場所を記録できるため、不正防止や管理指導に役立ちます。
緑ナンバーや黒ナンバー、一定台数以上の白ナンバー車を保有する企業は、アルコールチェックが義務化されているため、アルコールチェックと車両管理を一元化できます。
安全管理やコスト削減につながるため、自社の業務フローにマッチするサービスかどうかも重視しましょう。
ポイント⑤:取り付けやすいか
追跡サービスの利用には、GPS専用端末、アルコールチェッカー、ドライブレコーダー、スマートフォンなどのデバイスが必要です。
専用端末やドライブレコーダーを使用するタイプの場合、取り付け作業の手間やコストを考慮する必要があります。
シガーソケットに差し込むだけで使える簡易型の専用端末もあれば、専門業者による設置が必要なケースもあり、車両の台数や使用頻度に応じて選ぶべき追跡サービスは異なります。
導入時のスムーズさや、現場での取り扱いやすさも選定の重要なポイントなので、事前にドライバーへのヒアリングを行うと良いでしょう。
6. 車両用GPS追跡サービス(アプリ)のおすすめ7選
車両管理や安全対策を効率的に行うために、GPSによる追跡サービスの導入を検討する企業が増えています。
しかし、機能や導入コスト、操作性はサービスごとに異なるため、選定に迷う企業の担当者の方も少なくありません。
そこで本章では、法人向けにおすすめのGPS追跡サービス・アプリを7つ紹介します。
自社のニーズに合ったサービス選びの参考にしてください。
アルキラーNEX(走行管理機能 ※オプション)
アルキラーNEXは、アルコールチェックと走行管理機能(オプション)を一体化した法人向けのクラウド型アルコールチェックシステムです。
アルコールチェッカーとスマートフォンの専用アプリをBluetoothで接続し、アルコール検知結果と合わせて検知者情報や位置情報などを即座に取得・送信でき、管理者はいつでもどこからでも確認できます。
また、走行管理機能を使用すれば、GPSを活用し、リアルタイムで車両の位置情報を把握できるほか、走行ルートの自動記録、走行距離の自動計算、車両予約、免許証管理、運転日報の自動作成などができます。
管理者はアルコールチェックの結果だけでなく、車両に関するあらゆるデータをアルキラーNEXの管理画面上で確認できるため、効率的な車両配置や運行計画を立てられます。
そのほか、外部システムとの連携サービスも提供されているため、運行業務に必要な作業を総合的にカバーできるのが大きな利点です。
詳しくは以下の製品ページをご覧ください。
BUSINESS NAVITIME 動態ソリューション
BUSINESS NAVITIME 動態ソリューションは、配車計画や動態管理、リアルタイムの交通情報、さまざまな車種に対応したカーナビゲーションなど、「移動の最適化」に特化したクラウド型動態管理システムです。
位置情報だけでなく、案件の進捗状況や遅延状況も管理画面上で確認できるため、ドライバーに連絡を取らずに、状況を把握できます。
スマートフォンとパソコンがあれば導入可能なので、取り付け費用や機器のメンテナンスが不要な点も特徴です。
提供される専用ナビアプリでは、ベテランドライバーの走行履歴を参考にして、よりスムーズでムダのないルートが新人ドライバーに提案されます。
営業車や配送車の稼働状況を一括で把握できるため、業務効率と顧客対応力の向上が期待できます。
SmartDrive Fleet
SmartDrive Fleetは、GPSデバイスやスマートフォンを利用して車両の動態を可視化できる法人向けのクラウド型車両管理システムです。
使用するデバイスは、ドライブレコーダー、シガーソケット型の専用機器、他社製のデバイスの3つから選べます。
GPSを用いて位置情報や走行ルートを把握でき、他社ツールとの連携も可能なため、すでに使用しているツールと掛け合わせることも可能です。
専用の無料スマホアプリで、車両に関する情報をリアルタイムで確認でき、日報の編集や乗務記録も行えます。
サポート体制も整っているため、導入もスムーズで、運用後も分からない点があればすぐに対応してもらえるため、各機能を最大限に活用できます。
Cariot
Cariot(キャリオット)は、車両の位置情報や走行履歴、ドライバーの運転特性などを一元管理できるクラウド型の車両動態管理システムです。
使用するデバイスは、シガーソケット型の専用機器とドライブレコーダーの2つから選べます。
運送・物流トラック、建設ダンプはもちろんのこと、ごみ収集運搬車、送迎バス、営業・サービス車など、さまざまな業界の企業で導入されています。
リアルタイムで位置情報を把握できるだけでなく、運転日報の自動作成、車両管理台帳のデジタル化など、業務フローに合わせた柔軟な活用が可能です。
専用のアルコールチェッカーとモバイルアプリをインストールしたスマートフォンをBluetoothで接続すれば、アルコールの検知結果が自動的に記録されます。
管理者は、記録されたデータをリアルタイムに閲覧・集計・編集できるため、業務の負担を軽減できます。
ロジこんぱす2
ロジこんぱす2は、物流業界向けに特化したクラウド型の車両動態管理システムです。
デジタコに搭載したGPSを活用して車両の位置情報を把握できるほか、積載管理、配送計画のプランニング、拘束時間管理、アルコールチェッカーと連動した点呼機能など、物流現場の課題解決に直結する機能が多数搭載されています。
ドライバーの目線に立って設計されたサービスが特徴的で、操作タッチパネルが大きく、画面の表示ボタンはカスタマイズできるため、機械操作に不慣れなドライバーでも感覚的に使いこなせる点が嬉しいポイントです。
また、専用アプリとの連携により、現場とのコミュニケーションもスムーズになるため、効率的な運用が可能です。
物流業界のニーズに特化したGPS追跡サービスと言えるでしょう。
ODIN動態管理
ODIN動態管理は、BtoBの配送など、運送業界に特化した動態管理サービスです。
アプリをインストールするだけで、複数の車両の位置情報や移動履歴をリアルタイムで把握でき、運転日報の自動作成、勤怠管理、メッセージング機能も利用できます。
初期費用は0円で、ドライバー1人当たり月額1,500円程度で利用できます。上位プランは月額2,300円で配送計画や予実管理、進捗管理が行えます。
契約期間の縛りがなく、不要になったらすぐに解約できる手軽さがあるため、初めての導入にも適したサービスです。
中小のBtoBの配送や運送事業者を中心に、卸売業、フードデリバリー、サービスメンテナンス、ゼネコンなど、多くの現場で使われています。
AI-Contact フリート
AI-Contact フリートは、スマートフォンのGPS機能を活用した無料で使える運行管理システムです。
初期費用や月額利用料が完全無料で、専用アプリをインストールするだけで利用開始できるため、コストを抑えたい企業や初めて車両管理を行う企業に適しています。
ドライバーの位置情報をリアルタイムで把握でき、車検終了日や免許期限なども一元的に管理できるため、更新漏れを防止できます。
ドライバー1人あたりプラス200円で運用コンサルや設定代行、アルコールチェッカーの利用なども利用可能です。
導入には条件があり、現在「社用車を5台以上保有している企業」のみ申込が受け付けられています。
7. まとめ|GPS追跡サービスで効率的な車両管理を目指そう
本記事では、GPS追跡サービスの基本機能やメリット・デメリット、費用相場や選び方のポイント、おすすめのGPS追跡サービスについて紹介しました。
GPS追跡サービスは、車両の位置情報や走行履歴を正確に把握でき、業務の効率化や安全性の向上につながります。
法人の場合は、ドライバーの行動管理やルートの最適化により、コスト削減や労務管理の改善も期待できます。
用途や目的に合ったサービスを選ぶことで、管理者の負担が軽減され、より効率的な車両管理が可能です。
職場環境に適したGPS追跡サービスを導入し、スマートで安心な車両運用を実現しましょう。