ドライブレコーダーの駐車監視機能とは?録画方式やメリット・デメリットを解説
ドライブレコーダーの駐車監視とは、駐車中の映像を撮影する機能のことです。
近年、車上荒らしなどの盗難被害が多発しており、自衛手段として駐車監視搭載のドライブレコーダーを設置する人が増えています。防犯カメラの代わりになるため、車上荒らしだけでなく、落書きなどのいたずらや当て逃げといった犯罪対策にも期待できます。
駐車監視があれば、運転手がいない間の状況を撮影できるため、仮に被害に遭った場合、有力な証拠映像として警察に提出可能です。
そこで本記事では、ドライブレコーダーの駐車監視について、録画方式の種類やメリット・デメリット、駐車監視搭載のドライブレコーダーの選び方を紹介します。
ドライブレコーダー選びで迷っている方や、駐車監視の使用感を知りたい方は、参考にしてください。
目次 / このページでわかること
1.ドライブレコーダーの駐車監視機能とは?
ドライブレコーダーの駐車監視とは、駐車中に車体周辺の状況を撮影する機能のことです。
一般的なドライブレコーダーは、車のシガーソケットに接続して起動しますが、この方法だとエンジンを切ると同時に撮影が停止します。
一方で、駐車監視搭載のドライブレコーダーは車両の常時電源に接続するため、エンジンを切った状態でも撮影が可能です。
常時電源とは?
車のエンジンがかかっていない状態でも、電気が流れている電源(配線)のこと。ブレーキランプや、オーディオの内部メモリーに使われている。
常時電源は、運転席下やダッシュボード下にあるヒューズボックスから接続できます。車種によってドライブレコーダーを接続する部位が異なり、輸入車や古い車種の場合、シガーソケットから常時電源に接続可能です。
また、内蔵バッテリーが搭載されたドライブレコーダーでも駐車監視を利用できます。配線不要で設置が簡単ですが、録画時間が30分程度と短いため、短時間の駐車に向いています。
2.駐車監視機能付きドライブレコーダーの録画方式は3つ
ドライブレコーダーの駐車監視は、メーカーや機種によって録画方式が異なります。
大きく分けると3つあり、録画方式によっては証拠になり得る決定的な瞬間を記録できない可能性があることを覚えておきましょう。
本章で解説する3つの録画方式の特徴をチェックし、ドライブレコーダー選びに役立ててください。
①常時録画
常時録画は24時間録画を行う録画方式です。エンジンがついていない間も録画を継続するため、監視カメラとしての役割を果たします。3つの録画方式の中では、もっとも防犯効果が期待できる録画方式です。
ただし、常時録画はデータが膨大になりやすく、数時間ごとに古いデータから新しいデータへと上書きされます。また、車のバッテリーに負担がかかりやすいので、バッテリー切れでエンジンがつかなくなったり、劣化が早まったりする可能性があります。
なお、タイムラプスモードで常時録画が可能なドライブレコーダーもあります。1秒あたり2〜3フレーム程度で録画を行うので、データ量の節約が可能です。その代わり、映像はコマ送りでしか確認できないので、決定的瞬間を撮り逃す可能性があります。
②動体検知録画
動体検知録画は、人や物の動きを検知すると自動で録画を開始する録画方式です。動体検知した時だけ録画するため、データ容量の節約が可能でバッテリーの負担も軽減できます。
ただし、動くものすべてに反応するので、人や車の往来が多い場所は常に録画されるため、注意が必要です。また、光を誤検知する場合もあります。不審者対策に効果的ですが、駐車場所の人通りや車通り次第では、常時録画と変わらない可能性があります。
長時間の不要な録画はバッテリー切れやメモリー不足の原因になるため、駐車場所の周辺環境に合わせたドライブレコーダーを選ぶことが重要です。
③衝撃検知録画
衝撃検知録画は、車体への衝撃を検知すると録画が開始されます。衝撃センサーのみ電源に接続されているので、常時録画よりもバッテリー消費が少ないメリットがあります。
衝撃検知技術は年々進化しており、0.1g程度の衝撃を検知できるドライブレコーダーが多いようです。ただし、感度が良すぎる機種はドアをノックしたり、大雨や強風も検知するため、録画時間が長くなる可能性があります。
衝撃検知の感度は自分で設定でき、中程度が目安とされています。録画時間が長くなるほどバッテリーの負担が増えるので、ドライブレコーダーを設置する際に感度設定も行っておきましょう。
なお、衝撃が加わった数秒後から録画が開始されるため、衝撃が加わる瞬間の映像は撮影できません。また、車体に傷をつけるなどのいたずらは車体への衝撃が弱いので、検知されない可能性があります。
3.駐車監視機能付きドライブレコーダーのメリット
駐車監視機能付きのドライブレコーダーは、一般的な安価なドライブレコーダーよりも5,000〜30,000円ほど価格が高くなります。
コストはかかりますが、利用する人は多く、各メーカーもさまざまなタイプのドライブレコーダーを販売しています。
そこで本章では、駐車監視機能付きドライブレコーダーのメリットについて解説します。
いたずら・車上荒らしの抑止
ドライブレコーダーの機種によっては、駐車監視中に録画ランプが点灯・点滅します。車の外から点滅していることがわかれば、いたずらや車上荒らしを抑止できます。
いたずらや車上荒らしは人けがない深夜から朝方に発生しやすく、車の外装品やゴルフクラブなどの金目の物が狙われます。とくに高級車は車上荒らしによる盗難被害が多いため、ドライブレコーダーを設置すると安心です。
また、古い車は傷や落書き被害に遭いやすい傾向があるので、駐車監視搭載のドライブレコーダーを設置することで、いたずらの抑止になります。長い間同じ車に乗り続けている方は、ぜひドライブレコーダーの設置を検討してみてください。
駐車中のトラブルを録画できる
駐車監視は防犯カメラの代わりになります。万が一、いたずら・車上荒らし・当て逃げなどの被害に遭った場合は、記録した映像を有力な証拠として警察や裁判所に提出可能です。
とくに撮影範囲が広いドライブレコーダーは死角が少ないため、不審者をしっかり記録できる可能性があります。人の気配が少ない月極駐車場や、監視カメラが設置されていないコインパーキングを頻繁に利用する方は、駐車監視搭載のドライブレコーダーの利用がおすすめです。
4.駐車監視機能付きドライブレコーダーのデメリット
駐車監視は盗難やいたずらから愛車を守れますが、ドライブレコーダーの機種や使い方によって不具合が起きる可能性があります。
万全の自衛対策ができるよう、駐車監視のデメリットをチェックして、愛車に最適なドライブレコーダーを選んでください。
データ量が大きい
常時録画方式の駐車監視は、データ量が膨大になります。容量が限界になると自動で古いデータに上書きされるため、必要なデータが消えてしまうリスクや、メモリーカードの消耗が激しいというデメリットがあります。長時間の録画映像を保存したい方は、大容量のメモリーカードを用意しましょう。
バッテリーが劣化しやすい
車のバッテリーは充電と放電を繰り返すことで少しずつ劣化します。駐車監視は放電によって機能するため、バッテリーの劣化が早まります。バッテリーが経年劣化している場合、エンジンがかからない可能性が高まるので注意が必要です。
駐車中のバッテリーを用意する必要がある
駐車監視による車のバッテリー上がりを予防するために、内蔵バッテリーや外部バッテリーを用意する方もいます。充電時間や録画時間は商品によって異なります。価格は1,500〜40,000円程度です。コストはかかりますが、車両への影響を抑えられるため、バッテリーを別で購入する方は多いです。
5.駐車監視機能付きドライブレコーダーの選び方
駐車監視搭載のドライブレコーダーは、機種によって値段や録画方式が異なるため、どれを選べば良いのかわからない方も多いです。
そこで本章では、自分に合ったドライブレコーダーを選ぶためのポイントについて3つ紹介します。
録画方式で選ぶ
駐車監視には「常時録画」「動体検知録画」「衝撃検知録画」の3つの録画方式があります。ドライブレコーダーを防犯カメラとして活用するなら常時録画、いたずらや車上荒らしを防止するなら動体検知録画、当て逃げ対策するなら衝撃検知録画がおすすめです。
バッテリー方式で選ぶ
駐車監視搭載のドライブレコーダーは、車両バッテリーを用いて動作するのが一般的です。ただし、バッテリーが劣化しやすい特徴があります。車両バッテリーへの影響が気になる方は、外部バッテリーがおすすめです。
外部バッテリーであれば、常時録画でも比較的長時間の録画が可能です。数十分の駐車監視をしたい場合は、内蔵バッテリーやモバイルバッテリーも活用できます。
カメラ性能で選ぶ
カメラ性能が低いとナンバーや信号の色が判別できない可能性が高いので、証拠映像として扱われないケースがあります。万が一の状況に備えたい方は「FULL HD画質」「200万画素以上」のカメラ性能があると安心です。
6.まとめ|駐車監視機能付きドライブレコーダーでトラブル対策
駐車監視機能は防犯カメラの代わりとして役立つため、車から離れている間の状況のチェックが可能です。いたずらや車上荒らしの防止、当て逃げされた場合の証拠を確保できるので、駐車監視搭載のドライブレコーダーを選ぶ方が多いです。
なお、駐車監視搭載のドライブレコーダーは、車体バッテリーを利用する機種が比較的多く、バッテリーの劣化を早めるデメリットがあります。そのため、内部バッテリーのドライブレコーダーや、外部バッテリーを用意しておくと安心です。ドライブレコーダー選びで迷っている方は、本記事で紹介した内容をぜひ参考にしてください。