妊娠中にノンアルコールビール(飲料)を飲んでも大丈夫?洋酒入りお菓子は?注意点を解説

妊娠中に「ノンアルコールビールなら飲んでも大丈夫かな?」と思いつつ、不安に感じる方もいるでしょう。

事前にしっかり確認しないと、商品によっては「ノンアルコール」と表記されていても、ごく微量のアルコールが含まれている場合があります。

また、市販のお菓子には洋酒が含まれている場合があるため、知らないうちにアルコールを摂取する可能性があります。

妊娠中や授乳中のアルコール摂取は、赤ちゃんに影響を及ぼすリスクがあるため、注意が必要です。

そこで本記事では、ノンアルコールビール(飲料)や洋酒入りお菓子に関するメーカーの見解、摂取する際の注意点、アルコールが胎児や乳児に与える影響について詳しく解説します。

妊娠中や授乳中のアルコール摂取に関するよくある質問をQ&A形式で紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. ノンアルコールビール(飲料)の定義

ノンアルコールビールとは、「アルコール度数0.00%〜0.99%」のビール風味の飲料を指します。

酒税法では、アルコール度数1%以上の飲料をお酒として定義するため、ノンアルコールビールは「酒類」には該当せず、炭酸飲料やビールテイスト飲料として扱われます。

【ノンアルコール飲料の定義】
アルコール度数 分類
0.00〜0.99% 炭酸飲料・ビールテイスト飲料・清涼飲料水
1.00%以上 酒類

ただし、「ノンアルコール」といっても、微量のアルコールが含まれる場合があるため、大量摂取には注意が必要です。

酒類の広告審査委員会の自主基準では、「ノンアルコール飲料とはアルコール度数0.00%で、味わいが酒類に類似しているもの」と定義し、大手酒類メーカーでは、微量のアルコールが含まれた商品を「微アルコール」と表示して区別しています。

参考:
【総則】|国税庁
自主基準 自主基準の遵守等|酒類の広告審査委員会

2. ノンアルコールビール(飲料)を妊婦が飲んでも大丈夫?

妊娠中でも「お酒の雰囲気を楽しみたい」と思う方は多いでしょう。

しかし、商品によっては微量のアルコールが含まれている場合があるため、注意が必要です。

そこで本章では、妊娠中にノンアルコールビールを飲んでも良いのか、その安全性やメーカーの見解について解説します。

2-1 【結論】0.00%のノンアルコールビール(飲料)なら大丈夫

妊娠中にノンアルコールビールを飲む場合、ラベルに「アルコール度数0.00%」と表記された商品であれば、胎児がアルコールの影響を受ける可能性が低いと言われています。

ノンアルコールカクテルやノンアルコール酎ハイも「0.00%」と表記されている商品であれば、基本的に問題ないとされています。

ただし、ノンアルコールビールでも「微アルコール」や「ビールテイスト飲料」と表記された商品は、0.5〜0.7%程度のアルコールが含まれている場合があるため、妊娠中は控えた方が安心です。

2-2 メーカーの見解は?

妊娠中にノンアルコールビールを飲むことについて、酒類メーカーでは、どのような見解を示しているのでしょうか。公式サイトの情報をまとめました。

【お客様センター|サントリーホールディングス株式会社】

Q.サントリーのノンアルコール飲料は、妊産婦(妊婦)・授乳中の女性が飲んでも大丈夫ですか?

A.サントリーのノンアルコール飲料はアルコール分0.00%のため、アルコールによる影響はありません。アルコール以外の原材料によるお身体への影響はわかりかねるため、製品に記載されている原材料をご確認いただき、ご心配な場合は医師にご相談ください。

引用:お客様センター|サントリーホールディングス株式会社

【よくあるご質問|キリンホールディングス株式会社】

Q.キリンのノンアルコール飲料は妊娠・授乳中でも飲めますか?

A.アルコール0.00%を実現しておりますので、妊娠・授乳期間にお召し上がりになっても、アルコールを摂取することにはなりません。ご安心ください。

引用:よくあるご質問|キリンホールディングス株式会社

【ノンアルコール商品についてのFAQ|アサヒビール株式会社】

Q.妊娠中や授乳期に飲用しても大丈夫?(アサヒドライゼロ・アサヒドライゼロフリー・アサヒゼロ)

A.アルコール分0.00%の炭酸飲料ですので、問題ありません。

引用:ノンアルコール商品についてのFAQ|アサヒビール株式会社

【アサヒビアリー|アサヒビール株式会社】

アサヒビアリーはビールテイスト飲料(アルコール分0.5%)です。

この商品は20歳以上の方の飲用を想定して開発しました。この商品にはアルコールが含まれております。20歳未満の方、妊娠・授乳期の方、運転される方などは飲用をおやめください。
※アサヒビアリーは、アルコールが含まれておりますが、酒税法上の酒類ではありません。

引用:アサヒビアリー|アサヒビール

メーカーの見解では、 0.00%のノンアルコールビールであれば、妊娠中でも安心して飲めることがわかります。

アサヒビアリーのように、「微アルコール」として販売されているノンアルコールビールは、酒税法上は酒類として扱われないものの、微量のアルコールを含むため、妊娠中は控えた方が安心です。

3. 妊娠中にノンアルコールビール(飲料)を飲むときの3つの注意点

妊娠中でもお酒の雰囲気を楽しめるノンアルコールビールですが、選び方を誤るとアルコールを摂取するリスクがあります。

そこで本章では、妊娠中にノンアルコールビールを飲む際に押さえておきたい3つの注意点を紹介します。

3-1 アルコール「0.00%」の表示を確認する

先ほどもお伝えしているとおり、アルコール度数1%未満のノンアルコールビールの中には、微量のアルコールを含むものがあります。

妊娠中にノンアルコールビールを飲む際は、「アルコール度数0.00%」と明記されたものを選ぶことが重要なポイントです。

なお、0.00%のノンアルコールビールを飲んだ際に、脳が本物のお酒を飲んだと錯覚を起こす「空酔い」と呼ばれる現象が起こることがあります。

顔が赤くなったり、体がぽかぽかしたり、気分が高揚するなど、酔ったような感覚になることがありますが、アルコール度数が0.00%であれば、胎児への影響は限りなく低いと考えられています。

ただし、原材料によっては、胎児や乳児への影響が不明なものもあるため、成分表示を確認し、気になる場合は早めに医師に相談しましょう。

関連記事:『【知らないと危険】ノンアルコールビール(飲料)って本当にアルコール度数0?注意点を解説!

3-2 国内産のノンアルコールビール(飲料)を選ぶ

妊娠中にノンアルコールビールを飲む場合は、国内産の商品を選ぶことがポイントです。

最近では海外メーカーのノンアルコールビールも見かけますが、国によって表示基準や製造方法が異なります。

特に、海外では国によってノンアルコールの基準が異なり、日本よりもアルコール度数が高いもの(例:0.5%未満や1.2%未満)も「ノンアルコール」として販売されている場合があるため、注意が必要です。

胎児への影響を最優先に考えた上で、お酒の雰囲気を楽しむためにも、国内メーカーのアルコール度数0.00%と明記されたノンアルコールビールを選びましょう。

3-3 原材料や添加物を確認する

妊娠中は胎児への影響を心配して、原材料や食品添加物に対して不安を感じる方は少なくありません。

ノンアルコールビールやノンアルコールカクテルの場合、アセスルファムKやアスパルテームなどの人工甘味料が使用されている製品が多いですが、大量摂取しない限りは問題ないとされています。

食品安全委員会では、「一生涯食べても人の健康に悪影響を及ぼさない」と考えられる食品添加物の「許容1日摂取量」を定めており、市場に出回っている商品はすべて基準内に抑えられています。

ただし、大量摂取した場合の安全性は確認されていないため、ノンアルコールビールの飲み過ぎには注意しましょう。

参考:お母さんになるあなたと周りの人たちへ|食品安全委員会

4. アルコール入りお菓子を妊婦が食べても大丈夫?

チョコレートやケーキなどの洋菓子には、風味づけとして洋酒が使用されていることがあります。

見た目では分かりにくいものの、実際にはアルコールを含むお菓子も少なくありません。

「妊娠中にアルコール入りお菓子を口にしても大丈夫なのか」と疑問に思う方も多いでしょう。

そこで本章では、妊娠中にアルコール入りお菓子を食べても問題ないのか、その安全性とメーカーの見解について解説します。

4-1 【結論】できるだけ避けた方が安心

妊娠中は、体質によっては少量のアルコールでも影響を受ける可能性があるため、アルコール入りのお菓子はできるだけ避けた方が安心です。

市販の洋酒入りチョコレートの場合、1粒程度なら心配することはないと言われていますが、胎児への影響を完全に否定できるわけではないため、アルコールの摂取をやめるのが最も安全です。

なお、飲食後は一時的にアルコール反応を示す可能性があるため、運転する場合は、飲酒運転にならないよう、事前にアルコールチェッカーで測定したり、時間を空けてから運転したりするように気をつけましょう。

以下の関連記事では、アルコール入りチョコレートの飲酒運転の危険性や、チョコレート以外のアルコール入り食品について詳しく紹介していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事:『アルコール使用のチョコレートは飲酒運転の危険性あり|分解時間やチョコ以外の食品も解説

4-2 メーカーの見解は?

お菓子メーカーでは、妊娠中の洋酒入りお菓子の摂取についてどのような見解を示しているのでしょうか。公式サイトの情報をまとめました。

【よくあるご質問|ロイズ】

Q.原材料に洋酒が含まれている商品は、妊娠中・授乳中に食べて大丈夫ですか?

A.摂取量・個々の体質によっても変わるかと思いますが、一般的に赤ちゃんに悪影響を及ぼすといわれておりますので、控えていただきたいと思います。

引用:よくあるご質問|ロイズ

【マロングラッセ|Mary’s】

ブランデーを使用したマロングラッセについて

Q.妊娠中や車の運転をする時には食べられますか

A.妊娠中のお召し上がりは、避けるようお願いしております。また、車の運転をされる方にも体質や体調によるもので運転直前のお召し上がりは避けるようにお願いしております。

引用:マロングラッセ|Mary’s

【Rummy & Bacchus|株式会社ロッテ】

洋酒入りチョコレート(アルコール分3.2〜3.7%)について

※この製品は洋酒が入っていますので、お子様やアルコールに弱い方、妊娠・授乳期の方、運転時などはご遠慮ください。

引用:Rummy & Bacchus|株式会社ロッテ

多くのお菓子メーカーでは、アルコール入りお菓子について、妊娠中・授乳中の摂取を控えるように注意書きをしています。

パッケージに小さく注意書きがされている場合もあるため、購入時はパッケージの成分表示やメーカーの公式サイトを確認してから選びましょう。

また、アルコール入りのお菓子と気付かずに食べた場合は、早めに医師に相談しましょう。

5. 妊娠中にお菓子を食べるときの3つの注意点

妊娠中のアルコール摂取は、少量でも胎児に影響する可能性があるため、アルコールの有無を確認してからお菓子を食べることが大切です。

そこで本章では、妊娠中にお菓子を食べる際の3つの注意点を紹介します。

5-1 「アルコール分◯%」の表示を確認する

チョコレートや焼き菓子を選ぶ際は、パッケージに記載されている「アルコール分◯%」の表示を確認しましょう。

アルコール度数が明記されている場合、妊娠中は基本的に避けた方が安心です。

ただし、お菓子にはアルコール度数の表示義務がないため、パッケージだけで判断できない場合があります。

このような場合は、パッケージ裏にある原材料名や添加物に「酒」「アルコール」「エタノール」などの文字がないか確認しましょう。

もし、誤ってアルコール入りのお菓子を食べてしまった場合や不安を感じる時は、自己判断をせずに医師に相談することが大切です。

参考:消費者トラブルFAQ |国民生活センター

5-2 焼き菓子でもアルコールが含まれている可能性がある

「加熱しているから大丈夫」と思われがちですが、焼き菓子でもアルコールが含まれている可能性があります。

特にパウンドケーキは、焼き上げ後に香り付けとしてブランデーを染み込ませていることがあるため、必ずパッケージや成分表示欄を確認しましょう。

判断が難しい場合は、控えた方が安心です。

製菓店の焼き菓子の場合は、店員さんにアルコールの有無を確認しましょう。

5-3 洋酒が含まれるお菓子が意外と多い

洋酒が含まれるお菓子といえば、チョコレートやパウンドケーキが代表的ですが、以下のようなお菓子にもアルコールが含まれている場合があります。

【洋酒(アルコール)が含まれているものがあるお菓子】

  • フルーツゼリー
  • プリン
  • アイスクリーム
  • マロングラッセ
  • ドライフルーツ
  • など

「1歳半の子どもが贈答用のフルーツゼリーを食べて急性アルコール中毒を起こした」という事例もあるため、妊娠中や授乳中にお菓子を食べる際は注意が必要です。

もらい物のお菓子であっても、成分が不明な場合やアルコール使用の可能性があるものは、控えるようにしましょう。

参考:No.141洋酒入りゼリーの誤食による急性アルコール中毒の疑い(PDF)|日本小児科学会子どもの生活環境改善委員会

6. 妊婦のアルコール摂取が赤ちゃんに与える3つのリスク

妊娠中の飲酒が及ぼす主な影響

妊娠中の飲酒は、胎児に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、少量であっても避けるべきです。

ごく微量のアルコールを含むノンアルコールビールや、アルコール入りのお菓子を習慣的に摂取した場合も、胎児がアルコールの影響を受ける可能性は否定できません。

もし、妊娠中に飲酒をした場合、胎児にはどのような悪影響が及ぶのでしょうか。

本章では、妊娠中のアルコール摂取が胎児に与えるリスクについて解説します。

6-1 流産・早産・異常分娩の可能性

妊娠中のアルコール摂取は、流産や早産、異常分娩を引き起こす可能性があるとされています。

飲酒量が増えるほど早産のリスクが高まるとされ、米国の研究によると、妊娠29日目までにアルコールを摂取していた妊婦は、流産リスクが約37%上昇したと報告されています。

また、出産時には異常分娩のリスクも指摘されており、薬剤や器具などによる医療行為の介入を伴う可能性があるとされるため、妊娠が判明した時点で禁酒しましょう。

参考:
妊娠初期の週ごとのアルコール摂取と自然流産リスク:前向きコホート研究|National Institutes of Health
女性に知ってほしいアルコールの話(PDF)|神奈川県

6-2 胎児性アルコール症候群(FAS)の可能性

胎児性アルコール症候群(FAS)とは、妊娠中における母親の飲酒により、胎児がアルコールの影響を受け、発育に異常が起こる疾患です。

胎児がアルコールの影響を受けた場合、以下のような特徴が現れるとされています。

【胎児性アルコール症候群(FAS)の特徴】

  • 特徴的な顔面(平らな顔、頭が小さい、薄い上唇、不明瞭な人中)
  • 発育の遅れ(低体重、低身長、体重増加の遅れ)
  • 中枢神経系の障害(出生児の頭蓋の大きさの減少、脳の形態異常、聴覚や視覚の問題)
  • など

上記以外にも、胎児性アルコール症候群では、ADHD(注意欠陥・多動症)やうつ病、依存症などのリスクが高まることが分かっています。

1日のアルコール摂取量が120ml以上になると、胎児性アルコール症候群の発生率が30〜50%に上がるため、妊娠中は完全な禁酒が重要です。

参考:
胎児への障害 FASとFASD|認定特定非営利活動法人ASK
飲酒、喫煙と先天異常|公益社団法人 日本産婦人科医会

6-3 胎児性アルコール・スペクトラム障害(FASD)の可能性

胎児性アルコール・スペクトラム障害(FASD)とは、胎児がアルコールの影響を受けて引き起こされる発達障害の総称です。

胎児性アルコール症候群も、胎児性アルコール・スペクトラム障害に含まれます。

幅広い症状がみられるため、名称や診断基準も複雑で、「特徴的な顔面」「発育の遅れ」「中枢神経の障害」が代表的な症状とされます。

アルコール依存症で妊娠中に飲酒した女性から生まれた赤ちゃんの約30%が胎児性アルコール・スペクトラム障害を発症するとされており、現段階では有効な治療法が存在しないため、お酒を控えることが唯一の対策です。

参考:胎児性アルコール・スペクトラム障害|厚生労働省

7.【Q&A】妊娠中・授乳中のアルコール摂取に関するよくある質問

妊娠中や授乳中は、赤ちゃんへの影響を心配して、食事に神経質になる方も少なくありません。

妊娠初期に気付かずに飲んでしまった場合や、甘酒や料理酒の摂取について、不安に思う方もいるでしょう。

そこで本章では、妊娠中や授乳中のアルコール摂取に関するよくある質問についてQ&A形式で解説します。

妊娠に気付かず飲酒したけど大丈夫?対処法は?

妊娠に気づかずに飲酒した場合、過度に不安になる必要はありません。

受精前や妊娠3週末まで(妊娠検査薬で反応が出る前の時期)の飲酒は、妊娠が分かった時点で禁酒することで、胎児に影響が及ぶことはほぼないとされています。

不安な場合は、早めに医師に相談し、飲酒量や飲酒時期を伝えましょう。

参考:妊娠しているのに気づかず、同窓会でついお酒を飲み過ぎてしまいました。赤ちゃんに影響はないでしょうか?|公益社団法人 日本産婦人科医会

甘酒を飲んでも大丈夫?

甘酒には「アルコール入り(酒粕タイプ)」と「ノンアルコール(米麹タイプ)」の2種類があります。

妊娠中や授乳中に飲めるのは、アルコールを含まない米麹タイプです。

近年は熱中症予防や健康維持、美容目的で飲む方が増えており、米麹タイプの甘酒であれば妊娠中の方や小さい子どもでも安全に飲むことが可能です。

酒粕タイプは製造過程でアルコールが残っているため、誤って飲まないように注意しましょう。

関連記事:『甘酒はアルコールありなしの2種類|飲酒運転にならないように注意するポイントを解説

妊娠中に少量のアルコールを飲んでも大丈夫?

妊娠が分かった時点で、アルコールの摂取は控えるべきです。

ごく少量のアルコールなら、過度に心配する必要はないとされていますが、安全とされるアルコールの摂取量は定められていません。

少量であっても、胎児の発育に影響を与える可能性があるため、完全に控えることが推奨されています。

「一口くらいなら」と思わず、0.00%のノンアルコールビールやノンカフェインのお茶、ジュースなどに代替しましょう。

授乳中の飲酒は大丈夫?

アルコールは母乳を通じて乳児(赤ちゃん)に影響を及ぼすため、授乳中でも飲酒を控えることが推奨されます。

アルコールが母乳へ移行する割合は高く、血液中のアルコール濃度と母乳のアルコール濃度はほぼ同じになると言われています。

しかし、授乳中でもお酒を飲みたくなる方もいるでしょう。

一般的に、体重50kgの女性がビール1杯(アルコール度数5%・350ml)のアルコールを消失するには、2〜3時間かかると考えられています。

そのため、授乳中に飲酒した場合は、2〜3時間以上空けてから授乳すると乳児への影響が少ないとされています。

なお、授乳中の日常的な飲酒や大量飲酒は、母乳の量が少なくなったり、乳児が急性アルコール中毒になる可能性があるとされるため大変危険です。

飲み方をコントロールして、赤ちゃんもお母さんも安全に過ごしましょう。

参考:アルコール|母親の特別な状況|米国疾病対策予防センター(CDC)

アルコールが体から抜けるまでの時間は?

アルコールが抜ける時間は、体質、体重、年齢、性別などにより個人差が大きいとされています。

アルコール度数7%の酎ハイ(350ml)を飲んだ場合、アルコールの分解にかかる時間の目安は以下のとおりです。

  • お酒を飲めるタイプの男性:約4時間
  • 女性、お酒に弱い方、高齢者:約5時間

3本飲んだ場合、半日以上アルコールが体内から消えないと言われています。

妊娠中や授乳中は飲酒を控えることが最も安全です。

授乳中に飲酒する場合は、ノンアルコールビールを活用したり、アルコール度数が低いお酒を1杯に制限したりして、赤ちゃんへの影響を考慮しましょう。

関連記事:『アルコールが抜ける時間は?分解時間の計算方法|飲酒後の運転は何時間後から大丈夫?

8. まとめ|妊娠中は適度にノンアルコールビール(飲料)を活用してストレスをためないようにしよう

本記事では、ノンアルコールビール(飲料)の定義や、ノンアルコールビールと洋酒入りお菓子を摂取する際の注意点、アルコールが胎児や乳児に与える影響、よくある質問についてQ&A形式で紹介しました。

妊娠中は禁酒が必須ですが、「お酒の雰囲気を楽しみたい」「ストレスを発散したい」と感じる時は、0.00%と表記されたノンアルコールビールを上手に活用しましょう。

また、お菓子を食べる際は、成分表示を確認したり、店員さんにアルコールの有無を確認してから購入することがポイントです。

万が一、アルコール入りと知らずに飲食した場合は、早めに医師に相談しましょう。

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この記事の執筆者

株式会社パイ・アールPAI-R Co., Ltd.

安心・安全な交通社会の実現へ向けてさまざまな課題や解決を探求している 株式会社パイ・アール は、アルコールチェックをはじめドライバーの安全管理や業務管理にまつわるさまざまなお役立ち情報を発信しています。

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