飲みやすいお酒とは？選び方のコツや上手な飲み方・飲酒時の注意点

① 度数が低い

ビールや酎ハイは、アルコール度数が低く、刺激が少ないため、比較的飲みやすいお酒です。

一般的なアルコール度数は、ビールが約5%、酎ハイが約3〜7%です。

アルコールの香りを感じにくいため、お酒を飲み慣れていない方におすすめです。食事と一緒に飲む場合にも適しています。

蒸留酒に分類される焼酎は約20〜25%、ウイスキーは約40〜50%とアルコール度数が高いため、初心者の方がストレートで飲むのはおすすめしません。

居酒屋などの飲食店で注文する際は、水や炭酸水、お茶やソフトドリンクで割ったカクテルやサワーがおすすめです。

スーパーやコンビニで購入する際は、ラベルにアルコール度数が表示されているので、確認してみてください。

関連記事：『醸造酒と蒸留酒の違い｜歴史や製造方法・代表的なお酒や混成酒との違いについて解説』

② 甘口・フルーティー

甘味やフルーティーな風味があるお酒は、アルコールの苦味や刺激を和らげるため、比較的飲みやすい特徴があります。

最近では、りんごや洋なし、さくらんぼ、キウイなどの果汁を発酵させて造るフルーツワインの人気が高いです。

蒸留酒をフルーツジュースなどで割ったカクテルや、スパークリングワインなどは、香りが豊かでジュース感覚で楽しめるものが多くあります。

また、「純米大吟醸」「純米吟醸」に分類される日本酒は、醸造アルコールが添加されていないため、米本来の旨みとフルーティーな吟醸香（ぎんじょうか）を楽しめます。

③ 喉ごしが良い

喉ごしが良く、すっきりとした飲み口のスパークリングワイン（シャンパンなど）、日本酒、ビールなどは、飲みやすさに定評があります。

ウイスキーをストレートで飲む場合は、アルコールの刺激が強いため、苦手だと感じる方も多いようです。

しかし、ウイスキーを炭酸で割ったハイボールや、スパークリングワイン（シャンパンなど）、淡麗辛口の日本酒、クリアな味わいのビールなどは、後味が重くなく、喉ごしが良いのが特徴です。

料理の味の邪魔をしないため、食中酒としてもおすすめです。

酎ハイ（サワー）・カクテル

酎ハイ（サワー）は、焼酎をフルーツジュースや炭酸水で割ったお酒の名称です。

また、カクテルは、蒸留酒であるスピリッツ（ウォッカ、テキーラ、ラム、ジン）などをベースに、ほかのお酒や炭酸水、果汁やシロップ、フルーツやハーブを混ぜたお酒の名称です。

酎ハイもカクテルも、ベースとなるお酒のアルコール度数が高いですが、炭酸水やフルーツジュースなどで割るため、アルコールが薄まり、飲みやすくなります。

レモンやグレープフルーツなどの柑橘系はさわやかな風味で飲みやすく、カルピスやピーチは甘口でフルーティーな香りを楽しめます。

割るもの次第でさまざまな味や風味を楽しめるため、お酒が弱い方や初心者の方におすすめです。

果実酒

果実酒とは、果実を原料として発酵させたお酒の名称です。

ワイン（ぶどう酒）、シードル（りんご酒）、梅酒、あんず酒、ゆず酒、みかん酒、桃酒などがあります。

果実が原料なのでフルーティーで甘味が強く、アルコールを感じにくいのが特徴です。

最近では、スイカ、パッションフルーツ、じゃばら、ラズベリーを原料とする珍しい果実酒も登場しており、さまざまなフレーバーを楽しめます。

炭酸水やソーダで割るとさわやかで、さらに飲みやすくなり、桃やベリー系の果実酒は、牛乳やアーモンドミルクとも相性が良いです。

アイスクリームや杏仁豆腐にかけて食べると、バニラや杏仁の甘い香りと、フルーツの香りがマッチし、贅沢な大人のスイーツを楽しめます。

ビール

醸造酒であるビールは、発酵方法により「ラガー」と「エール」の2種類に分類され、原料や製法により、さらに細かく分類されます。

ビールの種類は「ビアスタイル」と呼ばれ、現在、世界には100種類以上のビアスタイルが存在するといわれており、中には150種類以上とする説もあります。

ビールはお酒の席の一杯目に、ジョッキでゴクゴク飲むイメージがありますが、苦味や炭酸の刺激が強いため、飲みにくいと感じる方もいるでしょう。

苦味や刺激が苦手な方は、アルコール度数が4%以下のビールや1%未満の微アルビール、エール酵母を使用したエールビール、微炭酸のビールがおすすめです。

以下のビールは、飲みやすさに定評があるビールなので、ぜひ試してみてください。

上記以外にもさまざまなビアスタイルがあるため、飲み比べをしても楽しいでしょう。

ビール缶のままで飲んでも美味しいですが、グラスに注ぐことで、本来の香りや飲み口を楽しめます。

日本酒

日本酒のアルコール度数は、約15%前後と高めですが、米と米麹のみを原料とした「純米酒」「純米吟醸」「純米大吟醸」は、比較的飲みやすいと言われています。

それぞれの特徴は以下のとおりです。

上記3つの日本酒は、蔵元や製法、原料の産地により味わいが複雑に変化します。一般的に、精米歩合が低い日本酒は、淡麗辛口のものが多く、すっきりとクリアな味わいなので、お酒初心者の方も飲みやすいとされます。

近年は、米と米麹で造られるノンアルコールの米麹甘酒や、酒粕を使用したアルコール度数約1%程度の酒粕甘酒も人気です。

「飲む点滴」と言われるほど栄養価が高く、熱中症対策や美容目的で取り入れる人が増えています。

ただし、酒粕甘酒はアルコールを含むため、運転前に飲まないように注意しましょう。

関連記事：『甘酒はアルコールありなしの2種類｜飲酒運転にならないように注意するポイントを解説』

ワイン

ワインには、ぶどう由来の「タンニン」という渋味成分が含まれているため、口の中に渋みが残りやすく、飲みにくさを感じる場合があります。

しかし、ワインにも日本酒と同じように甘口と辛口があり、甘口でジュースのようなワインは比較的飲みやすい傾向があります。

赤ワインなら、渋みが少なくコクがある「ライトボディタイプ」、白ワインなら甘口タイプがおすすめです。

また、ピンク色のロゼワインは、辛口タイプでありながら、フルーティーですっきりとした味わいなので、ワイン初心者の方でも楽しめます。

ワインは料理との相性が良く、赤ワインは肉料理、白ワインは魚料理や鶏肉料理、甘口ワインはフルーツやチーズプレートなどと一緒に楽しむのがおすすめです。

無理に飲まない・すすめない

お酒はあくまでも楽しむものであり、無理に飲む必要はありません。

また、相手に強要するのもマナー違反です。

お酒の酔い方には段階があり、始めは陽気になったり気が大きくなったりしますが、短時間で大量のお酒を飲んだ場合、一気に酩酊の最終段階に陥るため、最悪の場合、急性アルコール中毒で昏睡や呼吸停止になる可能性があります。

無理にお酒をすすめられた時は、「今日は飲みません」「私は飲めません」とはっきり断ることが望ましいです。

断りにくい時は、「今日は車や自転車で来ている」「薬を飲んでいるからお酒は飲めない」「下戸だから飲めない」など理由をつけて断るのがおすすめです。

関連記事：『酩酊とは？単純酩酊の酔い方6ステップと異常酩酊の罪について解説』
『お酒が苦手な方を「下戸（げこ）」と呼ぶ由来と意味｜下戸の方でもお酒を楽しむコツ』

自分に合った飲酒量を心がける

アルコールの分解能力には個人差があり、適切な飲酒量は人によって異なります。

女性や高齢者、体質的にお酒に弱い人は、アルコールの分解速度が遅く、アルコールの影響を受けやすいため、意識的に飲酒量を調節した方が良いと言われています。

自分に合った飲酒量を知りたい方は、アルコール体質検査がおすすめです。

アルコール体質検査では、遺伝子を調べることで、アルコール耐性を判定でき、お酒を飲んだ時の反応や健康への影響を把握できます。

従来は医療機関のみで受けられる検査でしたが、最近は、自分で口腔内の唾液を採取し、検査キットを郵送するだけで、自分のアルコール耐性や、アルコール関連疾患のリスクを把握できます。

以下の関連記事では、実際にアルコール体質検査キットを利用した従業員の体験談を紹介しています。検査費用や検査の流れを知りたい方や、健康的にお酒と付き合っていきたい方はぜひご覧ください。
関連記事：『【体験談】アルコール体質検査を体験｜適切な飲酒量を把握して上手に付き合おう』

水分をしっかりとる

お酒の合間に飲む水や炭酸水を「チェイサー」と言います。

ウイスキーや焼酎などのアルコール度数が高いお酒は、少量でもアルコール血中濃度が上昇しやすいため、チェイサーと一緒に飲むのがおすすめです。

また、アルコールには脱水作用があるため、体が水分不足になると、肝臓でアルコール分解がスムーズに行われず、二日酔いになりやすいと言われています。

二日酔いになると、頭痛や吐き気、胸焼けや胃もたれ、疲労感などの症状が現れます。

翌日の仕事に影響が及ぶ可能性があるため、お酒を飲む時は、お酒と同量のチェイサーをこまめに飲むように心がけましょう。

関連記事：『チェイサーとは？由来や役割・チェイサーにおすすめの飲み物・上手なお酒の飲み方について解説』

食事も一緒に楽しむ

空腹時にお酒を飲むと、アルコールの吸収が早まり、酔いが回りやすくなります。

アルコールは刺激物なので、胃の粘膜を傷めてしまい、ひどい時は表面がただれ出血したり、胃痛を感じたりする場合があると言われています。

対策として、タンパク質やビタミンB群、ビタミンCが豊富な食材は、肝臓でのアルコール代謝をサポートするため、生野菜や果物、脂身の少ないお肉や魚を食べるのがおすすめです。

健康的に楽しくお酒を飲むために、飲酒時は食事も一緒に楽しみましょう。

甘いお酒は飲み過ぎに注意

酎ハイやカクテルは、フルーツジュースやシロップで風味が調整されているため、無意識のうちに飲み過ぎる傾向があります。

また、農林水産省では、エナジードリンクなどのカフェイン入り飲料とお酒を一緒に飲まないように注意喚起をしています。

エナジードリンクに含まれるカフェインは、アルコールの影響を感じにくくする作用を持つため、アルコール摂取量が増え、めまいや震えなどを引き起こす危険性があります。

エナジードリンクを使用したカクテルが提供されている飲食店もありますが、大きなリスクを伴うため、お酒と一緒に摂取しないように気をつけましょう。

参考：カフェインの過剰摂取について｜農林水産省

飲酒運転は絶対に「しない・させない・ゆるさない」

飲酒運転は重大な事故につながりやすく、厳しい罰則が設けられています。

私たち一人ひとりが、飲酒運転は絶対に「しない・させない・ゆるさない」という強い意識を持つことが大切です。

飲酒運転の罰則は、運転者はもちろん、同乗者や提供者も対象になります。

それぞれの罰則内容は以下のとおりです。

飲酒運転による交通事故は、取り締まり強化によって減少傾向ですが、悲惨な事故につながりやすいです。

飲み会では、あらかじめ運転代行や公共交通機関の利用を計画し、安全に帰宅できる手段を確保しておきましょう。

関連記事：『飲酒運転の同乗者も罪に問われる？罰則対象になる基準や刑罰の内容・取り調べ時の対応を解説』

参考：飲酒運転の罰則等｜警視庁

自転車・電動モビリティの飲酒運転も重い罰則の対象

自転車の飲酒運転は、酒酔い運転のみが罰則の対象でしたが、2024年11月から酒気帯び運転も罰則の対象となり、場合によっては逮捕される可能性があります。

また、電動キックボードなどの、電動モビリティの飲酒運転も罰則の対象です。 罰則内容は以下のとおりです。

電動モビリティの「モペット（ペダル付き原動機付自転車）」は、原動機付自転車に該当するため、飲酒運転を行った場合、自動車と同様の罰則が科されます。

近年は、電動モビリティによる交通違反が問題視されているため、購入を検討している方は、事前に交通ルールを把握し、思いやりのある運転を心がけましょう。

関連記事：『自転車で飲酒運転した場合の罰則は？免許停止や事故を起こした場合の対処について』
『飲酒した状態で電動キックボードに乗るのは交通違反｜罰則や事故の事例を紹介』
『モペットは自転車ではない｜取り締まり強化の背景と罰則・罰金について解説』

運転前にアルコールチェッカーで検査する

アルコールは体内で分解されるまで時間がかかるため、飲酒後すぐに抜けるわけではありません。

翌朝の運転前でも、アルコールが残っている可能性があるためアルコールチェッカーを活用して確認しましょう。

特に、仕事で運転する方は、前日の飲酒量や飲酒時間を調節し、安全を最優先に行動することが大切です。

お酒が抜けているはずなのに、アルコールチェッカーが反応した場合は、うがいをしたり、センサー部分を清掃したりするのがおすすめです。センサーの清掃方法については、各メーカーに問い合わせた上で行いましょう。

なお、明らかにお酒臭い場合や、二日酔いでアルコールが残っている場合は、重大事故につながる前に運転を控えましょう。

関連記事：『飲酒後に運転できるのは6時間後？8時間後？飲酒運転をしないために 』