お酒をちゃんぽんすると悪酔いする?5つの酔いやすくなる理由と対策を紹介

お酒をちゃんぽんする(さまざまな種類を混ぜて飲む)と悪酔いする、酔いやすくなると耳にしますが、その理由はご存知ですか?
実は、お酒のちゃんぽん自体は悪酔いの直接的な原因ではありません。
さまざまなお酒を飲むことで、自然と摂取するアルコールの総量が増えたり、飲酒のスピードが早くなることが根本の原因です。
本記事では、アルコールチェッカーを専門に取り扱うパイ・アールが、お酒をちゃんぽんすると悪酔いしやすくなる(であろう)理由5つと、その対策を解説します。
今後もお酒(アルコール)と健全に付き合っていくための方法を知りつつ、自身のアルコールの体質を知るきっかけにもなりますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次 / このページでわかること
1.さまざまなお酒を飲む「ちゃんぽん」は悪酔いしやすい?
「ちゃんぽん」とは、一度のお酒の席で、さまざまな種類のお酒を飲むことを指します(さまざまな種類のお酒や食材を混ぜて作るカクテルなどは除く)。
1種類のお酒を続けて飲むよりも、酔いがまわりやすいと言われることが多いようです。
そもそも「ちゃんぽん」という言葉の由来は諸説あります。以下の3つが有力と考えられます。
- ポルトガル語のチャンポン(混ぜる・混合するという意味)がなまった
- 長崎の「ちゃんぽん」から
- 沖縄の「チャンプルー」から、など
また、冒頭でもお伝えしましたが、さまざまな種類のお酒を飲む「ちゃんぽん」は、悪酔いや酔いを促進する直接的な原因ではないと言われています。
5つの理由を後ほど解説しますが、さまざまなお酒を飲むことで、ペースが上がったり、アルコールの総量が増えていることが主な原因だと考えられています。
つまり、お酒を飲む量と、飲むスピードにさえ注意しておけば、悪酔いを気にせずお酒を楽しめるということです。
とはいえ、「ちゃんぽんすると酔いがまわるのが早い気がする…」という意見も多いでしょう。
次章では、お酒をちゃんぽんすると悪酔いする、酔いが早くまわると言われる原因とその理由を5つ紹介します。
2.お酒をちゃんぽんすると酔いやすくなる5つの理由
お酒に使用されるアルコールは、「エチルアルコール(エタノール)」という種類です。
基本的にどのお酒を飲んでも、エチルアルコールを摂取することに変わりはありません。
つまり、お酒をちゃんぽんすることで、悪酔いしたり、酔いが早くまわるということは考えにくいということです。
本章では、お酒をちゃんぽんすると、酔いが早くまわると考えられる5つの理由を紹介します。
摂取するアルコールの総量が増えたり飲むペースが上がるから
ちゃんぽんすることで酔いが早くまわる理由の1つは、摂取するアルコールの総量が増えることと、飲むペースが早くなることが原因です。
お酒によってアルコール度数は違います。
さまざまなお酒を楽しんでいると自然とアルコール摂取量が増えている可能性があります。
これが、ちゃんぽんが悪酔いに繋がるもっとも有力な説とされています。
蒸留酒と醸造酒によってアルコール分解の工程が変わるから
どのお酒を飲んでもアルコールを摂取することに変わりはありませんが、醸造酒よりも、蒸留酒の方が酔いやすいと言われています。
その理由は、蒸留酒の方が単純にアルコール度数が高いためです。
蒸留酒と醸造酒の大きな違いは「製造方法」にあります。違いを以下の表にまとめました。
区分 | 醸造酒 | 蒸留酒 |
---|---|---|
製造方法 | 穀物や果実を発酵させ、ろ過して作る | 醸造酒を加熱し、蒸発したアルコールを冷却・凝縮して作る |
アルコール度数 | 低め(5~15%程度) | 高め(20~40%以上) |
保存性 | 低い | 高い |
特徴 | 原料の風味や香りが残る | 香りや味わいが濃縮される |
具体例 | 日本酒、ビール、ワイン | ウイスキー、焼酎、ブランデー |
蒸留酒は、アルコール度数が高いものの、醸造酒と比べると悪酔いしにくいと言われています。これは、製造工程でエタノール以外が取り除かれ、不純物が少なく、酔いが冷めやすいことで悪酔いしにくいと考えられています。
このように、蒸留酒と醸造酒は製造方法が異なり、それぞれに特徴があります。醸造酒は、原料の風味や香りが楽しめるのが特徴です。一方、蒸留酒は、アルコール度数が高く、香りや味わいが凝縮されているのが特徴です。お酒を選ぶ際には、それぞれの違いを理解し、自分の好みに合ったものを選びましょう。
ただし、その日の体調や個人差によって違いがあるため、自分に合ったお酒との付き合い方を見つけて、楽しい時間を過ごしてください。
糖分により血糖値の変化が起こるから
お酒をちゃんぽんすると酔いやすくなる理由のひとつに「糖分を多く含むお酒による血糖値の変化」が影響している可能性があります。
特に、カクテルやリキュール、日本酒、ワインなどの甘いお酒は血糖値を急上昇させ、その後インスリンの働きによって急降下することが考えられます。
これにより、ふらつきや頭痛、倦怠感を感じやすくなり、酔いを強く感じる要因のひとつとなるかもしれません。
ただし、ちゃんぽんによる酔いやすさには、アルコール度数の違いや飲むペースなども関係するため、適度なペースで飲むことが大切です。
コンジェナー(アルコール以外の物質)の影響
コンジェナー(またはコンジナー)とは、発酵や熟成の過程で生じるアルコール以外の成分を指し、香りや風味に影響を与えます。
特に、ウイスキー、ブランデー、ラム、テキーラなどの濃色系の蒸留酒には、コンジェナーが多く含まれます(赤ワインなどの醸造酒にもコンジェナーは含まれますが、蒸留酒に比べると少なめです)。
これらを飲むことで悪酔いや二日酔いのリスクが高まる可能性があります。
コンジェナーの種類や量はお酒によって異なり、代謝に時間がかかるものもあるため、アルコールとともに分解される際に体への負担が増し、頭痛や吐き気を引き起こすケースがあります。
また、体質による影響も大きく関係しているため、例えば「ビールとウイスキーをちゃんぽんすると悪酔いしやすい」といった個人の体験にも関係している可能性があります。
心理的な影響(プラシーボ効果)
お酒をちゃんぽんすると酔いやすくなる・悪酔いすると感じる背景には、心理的な要因も関係している可能性があります。
たとえば、「異なる種類のお酒を混ぜると悪酔いしやすい」といった先入観を持っていると、実際の酔い方にも影響を与えることがあります。
これはプラシーボ効果(プラセボ効果)と呼ばれるもので、実際には、アルコールの摂取量が普段よりも少ない状態でも「ちゃんぽんすると悪酔いする」と思い込むことで、実際に酔いを強く感じてしまうケースが考えられます。
その日の体調や、お酒と食べ物の組み合わせの影響もあるので、お酒を飲む際はゆっくりとしたペースで、自分の体調を観察しながら楽しむようにしましょう。
3.悪酔いや二日酔いを防ぐための対策3選
せっかく楽しいお酒の場を過ごしても、次の日に二日酔いが残ってしまうと、「参加しなければよかった…」と後悔してしまうかもしれません。
また、悪酔いして失言してしまうと、大切な信頼を失う可能性もあります。
上記のようなリスクを防ぎ、心からお酒の場を楽しめるよう、悪酔いや二日酔いの対策を3つ紹介します。
以下の記事では、お酒を飲む「前」「最中」「後」の二日酔い対策を詳しく解説しているので、あわせてご覧いただくと役に立ちます。
関連記事:『飲酒前・中・後の二日酔い対策を紹介|翌日の適切なケアやNG行動も解説』
お酒を飲む前に食事をとる
空腹の状態でお酒を飲むと、アルコールの吸収が速まり、血中アルコール濃度が急激に上昇するため、悪酔いしやすくなると言われています。
その対策として、お酒を飲む前に、胃の粘膜を保護する食材をとることで、アルコールの刺激を和らげることが期待できます。
おすすめの食材は、チーズやナッツ類、豆腐、肉類、卵などで、アルコールの吸収を穏やかにする働きがあるとされています。
「何を食べるか」ではなく、とりあえず食事をとるだけでも効果が期待できるため、あまり食材は気にせず、飲み会の前に軽く食事をとるクセをつけておくとよいでしょう。
アルコールの分解を助ける栄養素をとる
二日酔いや悪酔いを防ぎたいと考える場合、お酒と一緒に食べる食事を選ぶことで対策できます。
タンパク質、ビタミンC、ビタミンB群はアルコールの分解に大切な栄養素です。こういった栄養素が豊富に含まれる食事を積極的にとるようにしましょう。
【タンパク質】肉類、豆腐、枝豆、卵料理など
【ビタミンB群】豚肉、レバー、生ハム、魚卵など
【ビタミンC】トマト、ピーマン、ブロッコリーなどの野菜
居酒屋などのお酒の場には、上記のメニューが豊富に揃っているケースが多いので、積極的に選ぶようにしましょう。
アルコールの分解の過程や、アルコールが抜けるまでの時間が気になる方は以下の記事を参考にしてください。
チェイサー(和らぎ水)を飲む
チェイサー(和らぎ水)を飲むことは、悪酔いや二日酔い対策として効果的です。
アルコールには利尿作用があるため、体内の水分が失われやすく、脱水症状が進むと酔いがまわりやすくなると言われています。
チェイサーをこまめに飲むことで、体内の水分バランスを保ち、アルコールの吸収を緩やかにする効果が期待できます。
特に、ウイスキーや焼酎、日本酒などアルコール度数の高いお酒を飲む際には、意識的にチェイサーを飲むことをおすすめします。
お酒を飲むペースを抑えられるだけでなく、翌日の二日酔い予防にもつながります。
おすすめのチェイサーは「水」ですが、ソフトドリンクでも構いません。
飲み会では、お酒1杯ごとに1杯のチェイサーを飲む習慣をつけると、悪酔い対策に効果的です。
4.お酒の適量はどうやって知る?
悪酔いや、二日酔い対策は非常に大切ですが、習慣づけるのはなかなか難しいでしょう。
飲むペースや飲む量をコントロールできれば理想的ですが、それを難しくするのが「酔い」の影響です。
あらかじめ自分にとってのお酒の適量を知り、何杯までにするか決めておくと良いかもしれません。
パイ・アールでは、従業員が実際にアルコール体質検査を受けました。この検査では、自分のアルコール耐性やアルコール関連疾患リスクを知ることができます。
アルコール体質検査の詳細については、以下の関連記事にまとめています。ぜひ参考にしてください。
5.まとめ|ちゃんぽんよりお酒の摂取量やスピードに注意しよう
お酒を混ぜて飲む「ちゃんぽん」は、直接的に悪酔いや、二日酔いの原因になる可能性は低いと言われていますが、それを否定する理由もいくつかあります。
心理的な要因で酔いやすくなっていることも考えられるため、気にしすぎるのもよくないのかもしれません。
とはいえ、お酒の場を心から楽しむために、二日酔い対策や悪酔い対策は、とても大切です。
自分の体調、体質を知り、お酒の適量を見極めて楽しくお酒と付き合っていきましょう。