免許の点数の確認方法とは?免許証で試験点数が分かる?点数制度の仕組みや免許証の見方を解説
運転免許を持っている方なら、「いま、自分の免許の点数は何点だろう?」と気になったことがあるのではないでしょうか?
免許の点数は、交通違反の重さや回数によって変動し、一定の点数に達すると免許停止や免許取消の対象になります。しかし、免許証を見ただけでは、現在の免許の点数は把握できません。
そこで本記事では、免許の点数の確認方法や点数制度の仕組みについて、分かりやすく解説します。
安全運転の意識を高めるきっかけとして、ぜひチェックしてください。
目次 / この記事でわかること
1.点数制度とは?仕組みや優遇措置

点数制度は、道路交通法に基づく制度で、特定の違反行為に応じて違反点数が加算されます。
一定の基準を超えた場合、免許停止や免許取消処分が行われますが、優良ドライバーには、警察署で免許更新ができるほか、保険会社によっては保険料が割引されるなどのメリットがある場合もあります。
本記事では、点数制度の基本的な仕組みや、優遇措置の内容について詳しく紹介します。
1-1 点数制度とは?
点数制度とは、ドライバーの交通違反や交通事故に一定の点数をつけて、過去3年間の累積点数に応じて、免許停止や取消などの処分を行う制度です。
昭和44年10月から導入され、危険運転を繰り返す可能性が高いドライバーを道路交通の場から排除し、交通事故を未然に防ぐことを目的としています。
点数制度は、主に4つの内容で構成されています。
- 一般違反行為(信号無視・放置駐車違反など)に対する基礎点数
- 特定違反行為(酒酔い運転・ひき逃げなど)に対する基礎点数
- 交通事故による付加点数
- 当て逃げ事故による付加点数
点数制度は、アメリカ、カナダ、ドイツなどの諸外国でも導入されており、安全な道路交通環境の確保を目的とするほか、ドライバーが無事故・無違反で安全運転を行うよう奨励する役目を果たしています。
参考:点数制度|警視庁
1-2 免許停止・免許取消になる基準
免許停止や免許取消になる基準は、前歴の有無によって異なります。過去に免許停止や取消処分を受けたことがある場合は、通常よりも厳しい規定が設けられています。
免許停止になる基準
前歴がない人が「過去3年間の違反点数が6点以上14点以下」になった場合、免許停止の行政処分が科されます。
免許停止期間は、累積点数に応じて異なります。
| 違反点数 | 免許停止期間 |
|---|---|
| 6〜8点 | 30日 |
| 9〜11点 | 60日 |
| 12〜14点 | 90日 |
前歴がある場合、前歴の回数や違反点数によって、停止期間が異なります。
| 前歴の回数 | 違反点数 | 免許停止期間 |
|---|---|---|
| 1回 | 4〜5点 | 60日 |
| 6〜7点 | 90日 | |
| 8〜9点 | 120日 | |
| 2回 | 2点 | 90日 |
| 3点 | 120日 | |
| 4点 | 150日 | |
| 3回 | 2点 | 120日 |
| 3点 | 150日 | |
| 4回以上 | 2点 | 150日 |
| 3点 | 180日 |
関連記事では、免許停止になる条件を詳しく解説し、免許証返還の流れや違反者講習について紹介しています。
免許停止処分の重大性を理解し、安全運転の意識を高めるきっかけにしてください。
免許取消になる基準
前歴がない人が、「累積点数が15点以上」になった場合、免許取消処分が科されます。
取消期間は点数に応じて異なります。
| 違反点数 | 免許取消期間 |
|---|---|
| 15〜24点 | 1年 |
| 25〜34点 | 2年 |
| 35〜39点 | 3年 |
| 40〜44点 | 4年 |
| 45点以上 | 5年 |
前歴がある場合、免許取消になる基準が低く設けられています。
| 前歴の回数 | 違反点数 | 免許取消期間 |
|---|---|---|
| 1回 | 10〜19点 | 1年 |
| 20〜29点 | 2年 | |
| 30〜34点 | 3年 | |
| 35〜39点 | 4年 | |
| 40点以上 | 5年 | |
| 2回 | 5〜14点 | 1年 |
| 15〜24点 | 2年 | |
| 25〜29点 | 3年 | |
| 30〜34点 | 4年 | |
| 35点以上 | 5年 | |
| 3回以上 | 4〜9点 | 1年 |
| 10〜19点 | 2年 | |
| 20〜24点 | 3年 | |
| 25〜29点 | 4年 | |
| 30点以上 | 5年 |
取消処分が科された場合、免許の再取得が必要です。また、取消期間中の再取得は不可なので、交通機関を使用する必要があります。
参考:行政処分基準点数|警視庁
1-3 点数制度の優遇措置
点数制度は、通常、過去3年以内の違反行為などの点数が合計されますが、過去1年以上、無事故・無違反の方は優遇措置として、点数が累積されません。
詳しい優遇措置の内容は以下のとおりです。
- 【1年間、無事故・無違反の方】
免許停止期間や免許が失効した期間を除き、運転可能な期間が、前の違反から後の違反までの間が1年以上無事故・無違反・無処分である場合に限り、点数が合算されません。 - 【2年間、無事故・無違反の方】
2年以上無事故・無違反・無処分で、1点〜3点の違反行為をし、その後3ヶ月以上、無事故・無違反で経過したときは、その点数は合算されません。
ただし、優遇措置が適用されても、点数は消えず、違反歴として残ります。
参考:点数計算の優遇|警視庁
2.免許証で学科試験の点数が分かるのは本当?

免許証だけでは違反点数を確認できませんが、「免許証を見れば学科試験の点数がわかる」という噂を聞いたことはありませんか?
運転免許を取得する際、学科試験に合格する必要がありますが、その際の点数が免許証に記載されているという説があります。
実際にそのような仕組みがあるのか、気になる方も多いでしょう。
そこで本章では、この噂の真意について詳しく解説します。
2-1 免許証で学科試験の点数が分かるという噂は間違い
「免許証を見れば学科試験の点数が分かる」という噂がありますが、これは誤解です。
噂では、「免許証の12桁の番号のうち、左から5桁目と6桁目の数字が、最初に受験した学科試験の減点数」と言われています。
学科試験の合格ラインは90点なので、理論上、5桁目と6桁目が「10」を超えている免許証は存在しないはずです。
しかし、実際には10以上の数字が記載された免許証も存在するため、この説は正しくありません。
また、12桁の番号の意味は、警察庁によって公表されています。
2-2 12桁の番号の意味
免許証の12桁の番号の意味は、昭和56年に警察庁が公表しました。
詳細は以下の表の通りです。
| 番号 | 意味 |
|---|---|
| 1〜2番目 | 管轄の都道府県番号(公安委員会コード) |
| 3〜4番目 | 初回免許取得年(年別記号) |
| 5〜10番目 | 個人情報(交付番号) |
| 11番目 | 検算数字(チェックデジット) |
| 12番目 | 再発行回数(再交付記号) |
5〜10番目の数字は、個人情報(交付番号)を示す数字であり、詳細は公表されていません。
12番目の数字は、紛失や盗難などで再発行した回数を示します。
3回以上の再発行や、短期間で再発行を繰り返した場合、偽造などの犯罪行為を疑われる可能性があります。
3.免許の点数と違反歴の確認方法3つ

免許の点数や違反歴は、免許証で確認できません。
確認するには証明書が必要です。
証明書を発行するには、警察署や郵便局などで、必要書類を提出する必要があります。
そこで本章では、免許の点数や違反歴を確認する3つの方法について、分かりやすく紹介します。
3-1 免許センター・警察署で申請
免許の点数や違反歴を確認するもっとも確実な方法は、免許センターや警察署で「運転経歴に係る証明書」などを確認することです。
交番や駐在所でも申請可能です。
申請には、必要書類を窓口で受け取り、必要事項を記入して提出する必要があります。
ほかに、運転免許証と手数料800円(2025年10月1日に670円から改定)が必要です。
書類の形式は都道府県によって異なるため、県外の家族が代理申請する場合は、事前に必要書類を確認しておきましょう。
証明書の交付は、免許センターで受け取る場合は1週間程度、郵送で受け取る場合は1〜2週間程度かかります。
3-2 郵便局・ゆうちょ銀行で申請
郵便局やゆうちょ銀行でも申請可能です。
ただし、必要書類の準備は窓口でできないため、警察署や交番、免許センターなどで書類を受け取っておく必要があります。
払込手数料が別途発生します。
3-3 スマホアプリで申請
「運転経歴に係る証明書申請アプリ(iPhone版 / Android版)」で、運転経歴の確認申請が行えます。ただし、アプリ上で免許の点数や違反歴を直接確認することはできません
申請には「NFC機能内蔵のスマートフォン」と「免許証の発行時に設定した4桁の暗証番号」が必要です。
手数料の支払いは、指定のコンビニエンスストアや銀行ATM、ネットバンキングで行います。
4.免許の点数と違反歴の確認に必要な書類

免許の点数や違反歴を確認するには、証明書が必要です。
証明書を受け取るには、所定の手続きを行い、必要な書類を提出する必要があります。
また、確認したい内容によって証明書の種類が異なるため、申請時には注意が必要です。
そこで本章では、免許の点数や違反歴に関連する各種証明書について、詳しく解説します。
4-1 運転記録証明書
運転記録証明書は、過去1年・3年・5年のいずれかの期間を指定し、その間の交通違反や事故、免許に関する行政処分の記録を証明する書類です。
運転記録証明書に記載される内容は、以下のとおりです。
- 申請期間中の違反、事故履歴
- 行政処分の年月日や内容
- 加算点数
- 現在の累積点数や前歴回数
過去の履歴をさかのぼって確認できるのが特徴ですが、5年以上前の記録は取得できません。
運転記録証明書は、タクシーやバス、トラックなどの運転を職業とする人が、就職時の提出書類として必要なため、発行する人が多いようです。
4-2 累積点数等証明書
累積点数等証明書は、現在の交通違反や事故の累積点数を証明する書類です。
現在の免許の点数の合計を把握したい方が主に申請しています。
過去の交通違反や事故の詳細を知りたい方は、「運転記録証明書」を申請する必要があります。
4-3 無事故・無違反証明書
無事故・無違反で経過した期間を証明する書類です。
安全運転の励行や優良運転者の表彰、SD(Safe Driver=安全運転者)カードの取得などに利用されています。
タクシーやバス、トラックなどのドライバーとして就職する際にも用いられています。
4-4 運転免許経歴証明書
運転免許経歴証明書とは、現在の運転免許の種類や取得年月日、過去に失効・取消になった免許の履歴を証明する書類です。
基本的に、現在の免許証に記載されている情報と同じ内容ですが、累積点数や違反歴は含まれないため、自分の免許の点数を知りたい方は、「運転記録証明書」または「累積点数証明書」を申請する必要があります。
運転免許を自主返納した方は、運転免許経歴証明書を提示すると、各自治体や企業のサービスや、交通機関などの割引を受けられます。
免許返納と運転経歴証明書の交付を同時にする場合は、手数料が1,100円かかります。
5.免許の点数・違反歴を確認する際の注意点

免許の点数や違反歴を確認する際には、いくつかの注意点があります。
本章では申請時に気をつけるべき項目について3つ紹介します。
5-1 証明書の交付に時間がかかる
各種証明書の交付には1週間から2週間程度かかります。
免許センターや警察署で直接受け取る場合は、1週間程度を要しますが、郵送で受け取る場合、2週間程度かかる可能性があります。
就職活動で証明書の提出が必要な方は、早めに申請手続きを済ませましょう。
5-2 スマホアプリでは免許の点数の確認ができない
免許の点数や違反歴を確認する場合、スマホアプリから証明書の申請が可能です。
スマホさえあればすぐに申請できるため便利ですが、アプリ上で免許の点数や違反歴を直接確認することはできません。
また、手数料の支払いは、Pay-easy対応の銀行ATM、ゆうちょダイレクト、または一部のコンビニ(Pay-easy対応)で行えます。
支払い期限は申請後7日以内で、期限を過ぎた場合、自動キャンセル扱いになるため注意しましょう。
5-3 代理申請には別途書類が必要
証明書は本人の申請に基づいて発行されますが、申請者本人から委任を受けた方は、代理申請が可能です。
代理申請をする場合、以下の書類が必要です。
- 委任状
- 代理人の身分証明書
- 申請者の運転免許証の番号
委任状の書類は、自動車安全運転センターの申請方法ページに添付されているので、ダウンロードして印刷後、必要事項を記入しましょう。
事業所や企業などで証明書が必要な場合、一括して代理申請することも可能です。詳しい申請内容は自動車安全運転センターのページにて確認してください。
6.【Q&A】免許の点数に関するよくある質問

運転免許の点数制度は一見シンプルに見えますが、実際には誤解されやすい部分が多くあります。
ここでは、免許の点数に関して特に質問の多い内容を分かりやすく解説します。
制度の仕組みを正しく理解し、思わぬ免許停止や取消を防ぐためにも、安全運転を継続するための意識づけに役立てましょう。
違反点数はいつリセットされる?点数は消えるの?
免許の違反点数は「リセット」されるわけではなく、一定期間無事故・無違反で時間が経過すると、次の違反時に過去の点数が合算されない仕組みになっています。
過去に行政処分を受けていない場合、1年以上無事故・無違反であれば前回の点数はリセット扱いとなり、新たな違反点数のみが加算されます。
また、2年以上無事故・無違反であれば、1~3点の違反をしても、その後3か月間無事故・無違反で過ごせば、その違反点数は合算されません。
つまり、点数が「消える」わけではなく、累積対象から除外されるという考え方です。
参考:点数計算の優遇|警視庁
違反点数と反則金の違いは?どちらが重いの?
違反点数と反則金はまったく異なる制度です。
違反点数は、道路交通法に基づく行政処分で、累積点数が一定に達すると免許停止や取消の対象となります。
一方で反則金は、交通反則通告制度に基づく金銭の納付で、軽微な違反に対して刑事罰に代わって科される行政上の措置です。
たとえば、速度超過15km未満の場合、反則金は発生しますが免許の停止には至りません。
しかし、反則金を支払わなかった場合や悪質な違反行為の場合、刑事処分に移行し、罰金や懲役の対象となることもあります。
ゴールド免許で違反をするとどうなる?
ゴールド免許を持っていても、違反をした時点で免許が取り消されることはありません。
違反後も現在の免許証は有効で、更新までは優良運転者として扱われます。
ただし、次回更新時には過去5年間の違反歴をもとに運転者区分が決定され、1回でも違反があれば「一般運転者」となり、免許停止などの行政処分を受けている場合は「違反運転者」に区分される場合があります。
つまり、違反をしてもすぐにゴールド免許が失効するわけではなく、次回の更新時に過去5年の運転状況をもとに再判定される仕組みというわけです。
参考:
・運転免許証の色、種類・有効期限について|千葉県警察
・運転免許証更新Q&A|埼玉県警察
・行政処分と点数制度|愛知県警察
前歴って何?累積点数との違いは?
前歴とは、過去に免許停止や取消などの行政処分を受けた履歴のことを指します。
一方で累積点数は、交通違反や事故によって加算される点数の合計です。
前歴の回数が増えるほど、免許停止・取消となる累積点数の基準が低くなり、より厳しい条件が適用されます。
例えば、前歴がない人は6点で免許停止となりますが、前歴が1回ある人は4点で免許停止処分になります。
前歴は行政処分が終わってもおおむね3年間は記録として残り、この期間に再び違反をすると「前歴あり」として判断されます。
参考:行政処分基準点数|警視庁
免許停止処分になったらどうなる?点数はリセットされるの?
免許停止処分を受けると、一定期間運転ができなくなります。
免許停止期間を満了すると免許は再び有効になりますが、点数がリセットされるわけではありません。
免許停止が終わった後は「前歴1回」として扱われ、次の違反で再び点数が加算される際には、前歴のある人としてより厳しい基準が適用されます。
免許停止処分を受けた後は、累積点数証明書などで自身の点数を確認し、再違反を防ぐことが大切です。
7.まとめ|免許の点数の確認は余裕を持って手続きしよう
本記事では、点数制度の仕組みや、免許の点数・違反歴の確認方法、必要書類について解説しました。
免許の点数や違反歴は、日常の運転に大きく影響する重要な情報です。
特に、累積点数が一定の基準に達すると免許停止や取消処分の対象になるため、定期的に確認することで安全運転を心がけるきっかけになります。
証明書を申請する場合、発行までに時間がかかるため、就職先で証明書が必要な場合は余裕を持って手続きを行いましょう。


